2013年05月18日

漫画『お茶にごす。』西森博之

見た目が悪魔な船橋雅矢は学校の良心こと茶道部部長姉崎奈緒美に勧められ茶道部に入部。

一方的なインネンや人助けのために次々とやってくる「敵」を倒し続けた船橋と一その相棒である一見チャラそうな山田には数多の最凶伝説がある。悪魔的な強さを持つ船橋は「デビルまークン」ないしは【あくまー君】と呼ばれている。(船橋に一方的に負けた者が抑えきれない恐怖を なんとかやわらげる目的でつけた呼称)

幼少期に母子家庭で育ち、母が亡くなった際に出会ったひとでなしの父のようになりたくないという意地を通すために彼はやさしい人をめざして生きている。負の因縁、暴力の連鎖を断ち切り、姉崎部長らと共に穏やかで楽しい生活を送るまークンはいつしか彼女に強い恋心を抱くようになる。



暴力と理不尽と偏見がはびこる社会に真っ向から立ち向かい闘う男女の姿を描いた青春学園ギャグマンガ。基本的に勧善懲悪をめざしたストーリーであり爽快感あり。愛称として「お茶をにごす。」(その場しのぎのいいかげんなことを言って適当にごまかす)作中で山田をはじめとした登場キャラたちが、実際にお茶をにごすシーンは多い。父の秘書が言っていた「優しければ幸せになれる」というお茶をにごすだけの発言もあり、まークンは祖父や山田を巻き込んで人助けに奔走する。 





テーマとしては、人にやさしくなりたい・したい少年がそのまま大きくなったようなまークンが、偏見を持たず自分に接してくれた姉崎部長を好きになるというピュアストーリー。しかし、何もしていないのに人から怖がられてしまう悪魔的な自分の姿と誰もが天使と認める姉崎の姿を
冷静に客観的に見つめ、その想いを告げられない。そんなまークンは姉崎に忍び寄る魔の手から守るため日々を送っているのである。


【やーまだ(山田)、夏帆】

茶道部に入部した船橋、山田、「狂犬」浅川夏帆らは皆があこがれる大和撫子姉崎部長から茶道を学ぶ。【一期一会】や【わびさび】、【茶室の作法】などを教わる船橋らだったが、イマイチ理解できない。自分のためなら怒りを我慢する船橋だが他人のためなら躊躇なく悪党どもに鉄拳制裁。その姿、強さはまさに悪魔であるが彼の振るう拳は少年的であり執拗な感じや粘着的な感じが一切ない。周囲からは誤解や偏見の目で見られることも多いが数少ない理解者である姉崎や山田、夏帆と共にお茶の道を究めながらやさしさを求めていく。

基本的にギャグマンガだが、その本質はやさしさや人の温かさや愛だ。表面的な言葉だけでは読みとれない味わい深さがある。最終回で主人公が笑顔で無邪気に目的に向かって走っている姿を通行人たちがほほえましく眺める描写とか実にうまいなと思う。非実在最強ヒロイン姉崎部長の圧巻の魅力と、本質的には変わらぬやさしさを持つ夏帆の歯に衣着せぬ言動が笑いと感動を誘う。キャラクターたちが信じた道を突き進む姿は単純故にまっすぐに胸に突き刺さる! 小学館サンデー少年コミックス 全11巻 ☆☆☆☆☆

posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆☆のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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