2010年04月23日

漫画『岳 ガク』石塚真一

山岳救助のスペシャリスト島崎三歩が
山の魅力と山の怖さ、山が作る縁を教えます。
新米レスキュー椎名久美、その後輩阿久津の成長や
三歩の昔からの親友であり
遭難対策チームのチーフ野田、
エアレスキュー牧と青木の活躍や、
山によって生まれる悲喜交々の人間ドラマや
愛別離苦、そして出逢いを描きます。



世界最高峰8000m級の山を登り、
多くの人と出会い、多くの死と直面してきた
山男島崎三歩。彼は、海外でレスキュー隊の
隊長を務めた過去もあり、現在長野県で
遭難者レスキューのボランティアをしています。

その能力は異常に高く、器のデカい山のような人間。
彼は山の過酷さ、自然の厳しさを
もちろん知っていますし、助けようと背負っていた人が
自分で背中で死んでいった辛い体験も数多くあります。

ときに理不尽に被害者の家族から罵声を浴びる
こともありますが、そのすべてを飲みこめる
だけの度量があります。



長野県警で、山岳新米レスキューである久美は
三歩に助けられながら成長を遂げていますが、
まだまだ三歩から学ぶべき所が多そうです。
でも、三歩はバカよばわりされることも多いのです。
そんな悪口をものともせず、「山バカ」
三歩はテントを張り、山に寝泊まりをする
自分らしい生き方を満喫しています。

ストーリーは、山で遭難した人々の救出劇や
亡くなった人々の生前の姿や家族との思い出、
つながりなどを描きます。
作中最高傑作のひとつと思われる
「オトコメシ」で登場したナオタ君はその後も
登場し、三歩や久美と新たな絆が生まれます。

山が縁で広がる人間関係。
山によって大切な人を失った者たちが
悲しみを乗り越えて行く様子や、
遭難者が死に直面する姿や大怪我をする姿、
実際に亡くなる場面も多く、
深く考えさせられる作品であります。
また、大ケガから復帰し、再び登山に挑戦する
者を励ます三歩の姿が印象的です。



どんなに注意を払っても危険はあり、
山からの帰還率は決してゼロになることは
ありません。それでも、圧倒的に人を魅了し、
駆り立てるものが山にはあります。
山の持つ美しさや、登頂する達成感。
頂上から眺める景色頂上で飲むコーヒー。
山で出会える植物や動物。そして人。

いい山はいい人が創る。
悲しい事故が起こるのも山なら
楽しいことが多いのも山。両方併せて山。
そして山はみんなのもの。
みんなの山なのです。

小学館 ビッグコミックス 全18巻
☆☆☆☆+

岳 (1) (ビッグコミックス)

岳 (1) (ビッグコミックス)

  • 作者: 石塚 真一
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: コミック




ラベル:おすすめ
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:50| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品好きですよ。
読み切りで読みやすいうえに、内容も毎回濃くて。

よく描けていると思います。

>そうですね。マスターキートンと同じ方式ですし。
 唯一、顔の部分が雑だと感じちゃうんです。
Posted by ながさき at 2010年04月28日 22:11
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【安寿】管理人
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