2016年09月24日

漫画『双亡亭壊すべし』藤田和日郎

同級生を奪った双亡亭を壊そうと成長した首相、防衛大臣は
ミサイルによる爆撃を決行。だがしかしその屋敷は無傷で佇んていた…。
重機による破壊が試みられ、ひしゃげたはずの建物は自然に修復。
不気味な生き物のようなこの建物は日本の安全の後顧の憂いとなる。
双亡亭壊すべし。首相はこの建物を壊したものに248億の報奨金を
出すと発表した。

絵本作家を夢見る元美大生にして貧乏絵描きのタコハは
お隣に引っ越してきた絵を描くのが好きな少年緑朗と仲良くなる。
近所でお化け屋敷と言われている双亡亭に父と住んでいた緑朗に
悪夢が訪れる。父親が家に食べられたのだ。
直後、双亡亭の爆撃命令が実行され、屋敷は火の海に包まれた。
ときを同じくして上空で異常事態が発生していた。
古い旅客機が突如現れ、船内では得体の知れない者同士が対決。
墜落した飛行機から、45年前に行方不明になっていた少年
タコハセイイチが発見された。(所持していた名札により判明)
セイイチも双亡亭により両親を奪われ、少年の姿のまま
得体のしれない力を手に入れ、双亡亭に強い恨みを抱いていた。

P2016_0829_211253.JPG


緑朗の身を案じた青年タコハは事件を捜査する機関から
彼をかばおうと奮闘。また、両親の離婚により緑朗と離れ離れに
なっていた姉紅は弟の身を案じ九州からやってきた。
彼女は日本一のお祓い能力を持つと称される巫女(みこ)であり
悪霊退治の急先鋒である。だが、父の命を奪った双亡亭を倒せるのは
姉ではなく、セイイチだと判断した緑朗は彼といっしょに旅立つ。
紅はタコハと共に緑朗の身を案じながら、弟の向かう先へ。
双亡亭壊すべしを掲げる面々がかの地に集う…。
少年サンデーコミックス 1巻〜 
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

漫画『黒博物館ゴーストアンドレディ』藤田和日郎

ナイチンゲールと彼女に取り憑いた亡霊グレイが
いつしか固い絆で結ばれ悪や病気と対決する姿を描いた
感動的な冒険活劇。完成度は高いの一言に尽きる。

P2016_0305_222822.JPG


王立劇場に現れる灰色の服の男(グレイ)は幽霊であるが
彼が現れると公演は大ヒットすると言われている。
そんなグレイがイギリスの黒博物館の学芸員の前に現れ
語るのは、クリミアの天使の活躍と戦いの日々だった。

貴族として恵まれた環境に育ちながら、看護の道をめざす
ナイチンゲールことフローは絶望に陥っていた。
家族による大反対を受け悩んでいた。
両親の言葉は呪いのように彼女の心を蝕んでいた。
また当時の看護士は蔑まれ、衛生の観念も低く環境は劣悪。
貴族と結婚すれば働かず裕福な暮らしが保障されているのに
なぜ苦労ばかりのいばらの道を歩むのか。確かに疑問。

そんな彼女の前に現れたのは命を懸けた闘いに明け暮れた
元決闘士の亡霊グレイ。生涯裏切りに遭い続けた男。
シェイクスピアの観劇に目のないグレイはフローと出会う。
自分が絶望したとき取り殺してほしいと言われたグレイは
あえて過酷な道を選ぶフローに興味を抱き彼女を後押し。
劇の主役になるのは観るよりももっと楽しいはずだと
この風変わりな女を見届けることにした。

すぐに音をあげ、命を奪えると思っていたグレイだったが
フローは奮闘。クリミア戦争も勃発し、より危険な場所で
より悲惨な患者たちを目の当たりにするフロー。
だが彼女は献身的な言動を続けいつしかいっしょに働く者や
患者たちの心を動かし好転してはじめる。
彼女の英雄的行為を偽善と捉え苦々しく思う者がいた。
その男ホールの差し金により現れた美しいバロン。
実はバロンはグレイと因縁深い相手であり、かつて決闘士
として生涯無敗を誇った亡霊。
死んでなお殺しの快楽を貪る強力な悪霊だった。
フローを殺すのは自分とバロンに相対するグレイだったが…

P2016_0305_222524.JPG


他者への献身に生涯を捧げた偉人ナイチンゲール。
最終的に彼女の最高の相棒になったバロンが戦争や恐怖、
悪に立ち向かっていく信念の戦いを見事に描いている。 
モーニングKC 上・下巻(全2巻)☆☆☆☆+
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月24日

漫画『月光条例』藤田和日郎

月光条例 1 (少年サンデーコミックス) [コミック] / 藤田 和日郎 (著); 小学館 (刊)青い月が輝くとき…
おとぎばなしの主人公や登場人物たちが凶悪になり
絵本から飛び出し人間界で暴走行為を巻き起こす。
彼らの暴走をとめ、奪われた命や破壊された街を
正常な状態に戻せるのは
【月光条例】に基づく
お伽噺(おとぎばなし)の登場人物たちこと使者と
使者に選ばれた執行者。
地球滅亡の危機に瀕する悪夢のような事態や
ショッキングすぎる赤ずきんちゃん連続殺人事件
などを解決するのは、使者「鉢かづき姫」に
見出されたひねくれ者の人間離れした力を持つ
執行者「岩崎月光」。
幼なじみの女子高生エンゲキブと共に
危険一杯の世にも奇妙な戦いに巻き込まれた
二人の運命はいかに?



〜あらすじ〜

現高校に通う不愛想でケンカッ早い【岩崎月光】は
本心を語らないひねくれ者。
血のつながりのないラーメン屋のおじいさんに
育てられた月光は変に気を回し、
因縁をつけてきた不良から巻き上げた金を店にまわす
孝行息子?である。
そう、どこか自分や自分の居場所に自信がないから。

自分の恥ずかしい秘密を数多く知る厄介な幼なじみ
【エンゲキブ】に絡まれながら、生活を送っていた。
しかし、生活は一変。
お伽噺の世界から現れた鉢をかぶった不思議な娘
【鉢かづき姫】に手助けを求められた月光は
不本意ながら戦いに参加。呑みこんだ物の能力を
10倍〜100倍に引き上げるすごい能力を持つ【呑舟】
ことはちかづきは人間離れした強さを持つ月光に
大喜び。(はちかづきはカポエラの使い手。
基本的には、本人も相当強い)
今後も執行者として
戦いに参加してほしい鉢かづきだったが、
月光はこれを拒否。

エンゲキブの口添え(と言うよりも脅迫)や
何の得もないのに他人のために戦うはちかづきの
覚悟に心を動かされた月光は次々と現れる難敵を
はちかづきと共にこらしめていく。



絶妙なタイミングで登場する月光たちによって
倒されたり、何かを感じたお伽噺の登場人物たちは
人間界にとどまったり、
絵本の世界と行き来できるようになり、
仲間として月光たちをサポートすることもある。

一寸法師、桃太郎、シンデレラ、赤ずきんちゃん、
ネロとパトラッシュ、浦島太郎、金太郎……
と誰もが知るお伽噺の住人からマイナーすぎて
知らない者まで数多く登場し物語を盛り立てる。
その結果、絵本は全く別の結末を迎えることに。
基本的に第一話の見開きにシルエットで描かれた
キャラクターたちが主だった存在である。



また「うしおととら」や「からくりサーカス」の
登場人物たちもちょこちょこ登場するなど
遊び心も満載。相変わらず登場人物に無理難題を
つきつけ、苦しい戦いを強いり、美学を語らせる
藤田和日郎節は健在。月光…男はつらすぎるよ。
やはり印象深いのはシンデレラ、赤ずきんちゃん、
ネロ&浦島太郎のエピソードであろう。

小学館サンデーコミックス 全29巻 ☆☆☆☆+
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月01日

漫画『黒博物館 スプリンガルド』藤田和日郎

ロンドンを震撼させたバネ足ジャックは
超人的なバネを持ち空中へと跳び上がり、
口からは青い炎を吐く。
女性の衣服をかぎ爪ではぎ取り、驚かせ
甲高い笑い声をあげ去っていく怪物。
性質の悪いいたずらとして本格的な捜査にならず、
その後パッタリと事件は起こらなくなった。

しかし3年後の1841年。
新たにバネ足ジャックが姿を現した。
そして今度は女性を殺害。
凶悪な顔を見せたバネ足ジャックを捕まえんと、
最重要参考人でありかつての事件の犯人と目される
ウォルター・デ・ラ・ボア・ストレイド侯爵に
疑いがかけられる。
熱血漢であり、機関車男(暴走野郎)の
ジェイムズ・ロッケンフィールド警部は
果敢にもウォルター侯爵に疑惑をぶつける。

暇を持て余す放蕩貴族ウォルターは
金と地位に明かせて性質の悪い遊び・いたずらに
明け暮れるクズ野郎。評判も著しく悪く、
疑われるだけの証拠も多く、特に被害者の証言で
怪人の服にWの刺繍がされていたことが大きい。
ボクシングまでたしなみ、ケンカをふっかける
ことも好きだった。ロッケンフィールドと
取っ組み合いになるウォルターだったが
メイドのマーガレットの前では大人しくなる。

ウォルターには疑念があった。
ウォルターの手元にはあのバネ仕掛けの機械が
あったからだ。少なくとも今度の事件の犯人は
自分ではない…。それでは…?

人の心に起こった凶器と
大切な人を守りたいと思う男たちの戦いがはじまる。
講談社 モーニングKC 全1巻
タグ:藤田和日郎
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:04| Comment(1) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年10月29日

漫画『邪眼は月輪に飛ぶ』藤田和日郎

【眼で見た生き物をすべて殺す】という死神
フクロウ「ミネルヴァ」。時速340キロで大空を
飛び回り、絶対的支配者として東京を死屍累々の
地獄絵図に塗り替えるまさに「悪魔」。
直接でなくても、テレビなどの電波を媒体にして
その呪われた眼を間接的に見ると即死。
被害者は420万人……。

絶望的な状況の中で、日米両軍は
我が物顔で空を翔けるミネルヴァに立ち向かう。

13年前に多くの犠牲を払いながら、この死神を
仕留めた伝説のマタギ(猟師)「鵜平」、
不思議な力を宿した鵜平の娘の祈祷師「輪」は
CIAのエージェントであるケビン、
デルタフォースのマイクらと共に
大切な人を奪ったミネルヴァに挑む。

鵜平と輪につきまとう「わだかまり」と
決して消えることのない「愛」。

戦ったことで大切なものを失い後悔する者と
逃げたことで大切なものを失い後悔する者

大切なはずの仲間までも死に至らしめてしまう
死神ミネルヴァの【自己矛盾】(≒人間)
を描き、作品としての深みを与える。



迫力のあるミネルヴァの飛翔シーンや
カーアクションや、戦闘機からの迎撃シーン
など見所満載!やはり藤田先生はすごいや。

☆☆☆☆のおすすめ作品。
小学館ビッグコミックス。


posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:01| Comment(1) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年06月17日

漫画『からくりサーカス』藤田和日郎

180億円という遺産を受け継いだ天才少年才賀勝は、
ある日運命的な出会いをします。
ひとりめは、人を笑わせないと呼吸困難になる
という奇病「ゾナハ病」に発症していた
中国拳法の達人加藤鳴海(ナルミ)。
もうひとりは、才賀勝を守らんと突如現れた
銀髪の美女しろがね(エレオノール)。

勝の遺産を自分のものにしようと、
有名企業「サイガ」の親族達は、
一族と深い関わりのある
からくり人形を用いて勝に牙を剥きます。

こどもである勝が理不尽な想いをしていることに
心を痛めたナルミ、
そして勝を守ることを自らの存在理由としている
エレオノールは勝を守らんと立ち上がります。
しかし、エレオノールがからくり人形
「あるるかん」を操り敵を撃退することから
ナルミは不信を抱きます。
勝を守るという命題の中、いつしかふたりは
お互いに惹かれ合います。
壮絶な戦いによって大きな悲劇が訪れます。
そして、壮大な物語の幕が挙がります。

ここまでの話が3巻までの序幕で語られます。
この漫画が合う・合わないは、
この3巻までを読めば多分わかります。

その後、からくり人形を操る「しろがね」と
自動人形「オールマータ」の過去から
現在に及ぶ200年もの因縁の対決、
奇病ゾナハ病の秘密や恐怖
(ゾナハ病にかかると死ねなくなります)
エレオノールの秘密や人類滅亡の危機が描かれます。

構成は基本的に、
「からくり編」と「サーカス編」に分けられ、
(交差する箇所もあり)
格闘にサーカスに要素を盛り込んで
繰り広げられる冒険活劇です。
ストーリーに大きく関わる「人を楽しませる」
サーカスの魅力も描かれます。

ラストまで一気に読みたくなるストーリー展開です。
散りばめられた数々の秘密が
徐々に解き明かされていく所が魅力的。
名言や、敵役も含めて魅力的なキャラが
たくさん生まれた作品であり、
頭脳を駆使するタイプの格闘シーンが多々登場します。

物語は「愛」や「永遠の命」「人間」
など大きなテーマを持ち、
深く考えさせられる壮大なドラマです。
シェークスピアや絵本などが数多く引用されています。

未熟ながら早熟な天才少年マサルが、
本物の男ナルミや美しいエレオノールと出会い
大きな成長を遂げます。
そして多くの人間やしろがね、
オートマータとの出会い、
戦いの中で自らを磨いていきます。

主人公である三人の心には、
「大輪の花」が咲く一方で、
「過去の因縁」も加わり悲しみや苦しみ、
怒りや絶望感といった
「孤独な花」も咲かせます。
それでも前を向いて進もうとする
三人の主人公たちの「生き様」に
感動を覚えながら、幕は下がります。

☆☆☆☆☆の名作マンガ。
作者は、本当にロマンチストだと思います。
小学館サンデーコミックス。全43巻。

『Le Cirgue de Karakuri』
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 08:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年10月15日

漫画『うしおととら』藤田和日郎

漫画史上最高の熱血漢うしお、雷と炎を操り空を駆ける妖怪とらが
人間界で起こる怪異を解決しながら、人間や妖怪たちと強い絆と
信頼を築いていくヒューマンドラマ。スピード感溢れるストーリー、
臨場感溢れる戦闘シーン、名言も数多く、号泣するシーンも多い。
鬼、河童、雪女、なまはげ、さとり、かまいたち、天狗……など
数々の妖怪が登場し、造詣も凝っていて内容も深い名作である。
見開き2ページを駆使した迫力あるシーンが多い。
おすすめ度合は、文句なしの☆☆☆☆☆。全33巻+外伝。
文庫版は全19巻。サンデー

蒼月潮(あおつきうしお)は、光覇明宗の寺の息子の中学生。
バカでがさつ、明るくて曲がったことや嘘が大嫌いな熱血漢だ。
ある日、うしおは自分の家の蔵で槍に刺され封印されていた
怪物とらと運命的な出会いをする。「槍を引っこ抜いてくれ」と
頼むとらは、うしおを喰うと明言したため相手にされなかったが、
突如妖怪が出現する。うしおの親友である中村麻子、井上真由子を
助けるためにやむをえず槍を抜いたうしおだったが、とらは手を
貸さずにうしおを攻撃する。そのとき、とらを封印していた
槍「獣の槍」がうしおの手元に……。瞬間うしおは長髪になり、
超人離れした力を発揮し、妖怪を殲滅することに成功する。

うしおは、とらを封印してやる、とらは隙を見て食べてやると
思いながら、生活を送る。うしおが持つ「獣の槍」は妖怪たちを
倒すために作られた槍であり、妖怪たちを呼び寄せる。よって
うしおの学園生活は、妖怪や妖怪に憑かれた人間などを退治したり、
改心させたりと大忙しである。やがて、うしおは自分に課せられた
大きな使命を父から伝えられる。「獣の槍」は歴史上数回確認されて
いる大妖怪「白面の者」との戦いに欠くことのできない武器であり、
光覇明宗や死んだことになっている母も「白面の者」と戦っていた。

うしおはとらといっしょに、母や「獣の槍」の秘密を知るために
北海道をめざすが、妖怪の襲撃を受け、息つくひまもない。
妖怪で有名な遠野などの行脚中に次々と妖怪に遭遇。
うしおととらは、人助けや妖怪を助けながら旅を続け、仲間をつくり
数多くの強い絆を結んでいく。
うしおととらは、時に妖怪や人に助けられながら、旅を続けるが
「獣の槍」を使い続けたうしおの身体に異変が起こる。
うしおのピンチにうしおに助けられ、うしおを慕う5人の女性が
立ち上がる。

後半は、強力な白面の者を打さんと、妖怪たちと人間が手を組み、
スケールの大きな戦いが展開される。
残酷でグロテスクなシーンも多く過酷なストーリーでもあるが、
それを補って余りあるあたたかさと優しさを感じる冒険活劇。
エピソードごとに、芯の通ったテーマを感じる作品も多い。

200809221202000.jpg


蒼月潮

「獣の槍」に認められた少年。あたたかくて、まっすぐの直情径行。
人のため、バケモノ(≒妖怪)のために怒り、涙を流し、
命を投げ出して戦うという稀有な精神の持ち主である。
信じることが大切だってことや、正義ってやつを言動で示すキャラ。
イメージは太陽、希望、爽やかな潮風と言った所か。
油断していると、かっこいいセリフを吐いて胸をジーンとさせる。
過酷な運命をとらと共に背負わされるが、ほとんど弱音を吐かない。
うしおととらのコンビネーションは徐々によくなり、その強さは
バケモノを凌駕するほどである。

とら

長飛丸。字伏とも。モチーフは山月記であろうか。
金色の身体を持つ巨大なバケモノであり3000年ほど前に誕生。
雷、炎、嵐などを操る大妖怪であり、「白面の者」にも
覚えられているほどの存在。性格は、残忍で狡猾、暴れん坊だったが
潮と会ってからは、とりあえず人間を食べることを我慢している。
ハンバーガーが好物であり、憎悪と化粧品が大嫌いな一匹狼気質。
500年の間、張子の虎にされて、解放される日を待っていたためか
「あいつ(うしお)といると退屈しねぇ」などの本音が出ることも。

800年ほど前日本で、妖怪や人間と共に戦い白面の者を追い払った
功労者である。基本的に一人で戦うことを好み、好戦的な性格。
だが、うしおとのコンビを悪くは思っていない節がある。
うしおと違い複雑な性格であるが、少しずついい奴へと移行。
本人が自覚していない秘密がある。
白面の者に対して、強い敵愾心を燃やし、恐怖を全く感じない。
姿を消すことができるが、こどもには見えることがある。

200809221158000.jpg

「おまえは人間だろが。 最後まで読むとより深い発言である」


敵と言いながら、うしおに本気で起こるシーンやいっしょに
行動する姿は、ツンデレそのものである。(潮、ヒロイン麻子も同)
序盤はユニークな発言が多いが、中盤位からは「人間味」が増した
言動が多くなり、ビシッと決めるセリフも多い。
うしおに対して「喰っちゃるぞ」と脅すシーンが多いが、
最終巻でうしおといっしょにいることで
「(大切なものをいっぱい)もう喰ったさ」と語るシーンは
実に感慨深いものがある。

白面の者

中国の殷の時代から人間に憑いて悪さを行っていた。
うしおととらと対峙する形になったのは、3000年ほど前であり、
九尾の尾を持つ非常に巨大な妖怪である。
分身などを用いて、女性の姿で権力者に取り入ることに長けている。
人や妖怪が感じる「恐怖」を吸うことで強くなるという特性があり、
なんとか日本から追い払った800年前とは比べようもないほど強い。
人の感じる「哀しみ」や「憎しみ」などに喜びを感じるという
イヤな化け物であり、同時に妖怪は自分以外存在しなくても
いいと考えるため妖怪排斥に並々ならぬ情熱を傾ける。

獣の槍

魂を持った槍であり、ケモノ(バケモノ)を特に白面の者を
打ち倒すために存在する槍。
持ち主を選び、使い手の命を守る性質がある。
使用中は、ケガの回復が早いというすばらしい効果がある。
戦闘能力を飛躍的に上げる不思議な性質を持つが、
反面使い手をケモノに変えてしまうという特性がある。
獣の槍の秘密に関しては、作中でばっちり語られる。
光覇明宗の僧侶たちは、この槍の伝承候補者をめざして厳しい修業に
励んでいる。器物であるため、白面の者から恐怖を感じないので、
対白面の者戦においての拠り所とされている。

200809291138000.jpg
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:15| Comment(1) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年04月29日

マンガ『夜の歌 藤田和日郎短編集』

時は戦国時代。世間知らずのお姫様が、厳しい山を超えて
腕利きの下忍(忍者)に力を貸してほしいと訪ねてきた。
お姫様は、なにやら怪しげな行李(≒かご)を背負っていた。

姫は、敵国城主の命令で命を狙われていた。そして、襲撃を受ける。
だが行李の中には、あやしげな鎧武者が仕込まれていて、姫は
それらを武者をたくみにあやつり、敵を撃退。下忍は、姫に力を
貸してやることにした。人形のように美しく、悲しい過去を背負った
彼女に心を動かされたのだ。

200804291813000.jpg


「からくりサーカス」の元になったと思われる「からくりの君」


血塗られた刀が、妖怪を呼び寄せる。

筋金入りの不良が、怪しげな刀を持った奇妙な兄妹に船で出会った。
兄は語る。遠野に伝わる妖怪と、兄妹との因縁の物語を。

そして妖怪は、兄の作戦通りに船上に現われ、戦場と化す。

「うしおととら」をほうふつとさせるデビュー作「連絡船奇譚」


大正時代を舞台に、猟奇的な事件が発生。ある屋敷付近で、
女性の身体の後面だけが残された変死体が続出。

これに挑むのは、暗い過去のある戦闘の達人削夜。
屋敷の住人である沙夜子に出会った削夜は、「闇」と戦う彼女を
見て、俄然やる気を起こす。グロテスクな事件の中で、光明が
見出されていくストーリーは流石の一言。暗闇を照らしてよ。

「夜に散歩しないかね」


他に、強さを求めた男の悲哀と情熱を描いた「掌の歌」、
幼い少女の夢を叶えんと、奮闘する男の姿を描いた
「メリーゴーランドへ!」を収録。読み応えがあり、おすすめ。
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



すべての道は漫画道に通じる
漫画を読みながら
戦争はできない
漫画& 漫画と共に生きる
わが漫画ライフに
いっぺんの悔いなし!
などを信条とするブログ

2943871(にくしみはない)
11028349(ひとにやさしく)

【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 主な生息地 埼玉
 漫画以外だと本と犬と猫、
 音楽鑑賞とカラオケ、
 昼寝、お笑い、風呂と
 本屋巡りが好き。
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しなかった。
 そして、実際にならなかった
 スピッツ
 オアシス
 ミスチル
 back number
 ボンジョヴィ
 ガンズアンドローゼス
 ヴァンヘイレン
 KISS
 バンプ
 coldplay
 中島みゆき
 サラブライトマン
 マルーン5 
 The Wanted
 を聴いたりうなったり
 脳内で響かせている。