2013年11月10日

漫画『ポジディブ先生』石黒正数

【種】

隕石が落ちたことで壊滅的な被害を受けた人類。
あっという間に原始時代レベルの生活を余儀なくされた
数少ない人類は食事もままならない日々を送っていた。
そんな彼らが見つけたのは「トマトの種」。
明日への希望を見出し、喜ぶ男たちだったが
この種が争いの火種を生むことになる…。
人間ってホント愚かだよね。

【夜は赤い目の世界】

吸血鬼(バンパイア)退治に選ばれたのは
神父と探偵と柔道家(嵐山、女の子)だった。
棺桶から現れたのは吸血鬼のイメージとは
かけ離れた腹の出たおっさんバンパイア。
三人は直談判で吸血をやめるように説得するが
バンパイアは節度を守って吸血をしていると主張。
交渉は決裂し、戦いがはじまる。

【ポジティブ先生】

根賀先生は自己紹介で中学時代にカビと
呼ばれていたと紹介。
どんな過酷な状況でもたくましく生き
自然と仲間が増えていく…そんな姿ボクの姿が
カビに例えられたのだと思います。
あまりにもポジディブすぎる発言に生徒は
感銘を受けた…かどうかはわからないが
印象だけは残した根賀先生だったが…
表題作ながら4ページしかない。

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【怪奇!透明人間が来る】

栗谷は生まれつき半透明人間である。
父が透明人間、母が人間のハーフ。
日常生活において問題ないのだが
写真を撮ると半透明に映ってしまう。
そんな彼の前に現れたのは怪しい面々。
栗谷は本人の意思によって透明人間か人間
どちらの姿になれるかを選択できるという。
怪しい面々は透明人間だと名乗り、
栗谷に透明人間になるメリットを挙げ
数少ない仲間に入るように呼びかける。

などを収録した短編集。

徳間書店 RYU COMICS
ラベル:石黒正数
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2013年06月09日

漫画『探偵綺譚 たんていきたん』石黒正数

【探偵綺譚】

友達の見沢千加が謎の失踪を遂げ5日が経過。
嵐山歩鳥は千加のことを心配していたがクラスメイトから
痩せ衰え変貌した千加の幽霊を見たという話を聞いた。
彼女たちの住む田舎町には夜に稲荷神社に行くと
帰って来られなくなるという言い伝えがあった。
歩鳥は千加のことを知ろうと彼女が所属していた卓球部に行き
レギュラー争いをしていた紺双葉があやしいとにらむ。
しかも紺は練習を休んでいるという。ますます怪しい…。
歩鳥は紺と出会い犯人と決め付けるのだが…。
代表作「それ町」シリーズのメンバーも登場する
ドタバタコメディー。迷探偵嵐山歩鳥の探偵デビュー作。
推理モノ…じゃないなぁ…。

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【スイッチ】

身体に爆弾を埋め込まれた被験者ボマー。
そしてその起爆装置スイッチ。
青少年の心理及び行動傾向の調査目的で17歳の中には
この恐ろしい爆弾が埋め込まれている者もいるのだが
それを知るのは一部の関係者と被験者本人だけ…
というSFモノ。
転入生と仲良くなった江草は、実は転入生がボマーで
あるということを告白された。
江草はネットによってこのボマーの存在を知り驚愕。
近くに爆弾を所持した危険な存在がおり、
しかもそのスイッチを託されてしまう。
こんな体を抱えて生きるのはつらいからいつ押しても
構わないが被験者の5mにいた場合周囲を吹き飛ばす!
という話を聞かされ江草は恐怖に脅える。
そんな折、ヤクザのような風貌で周囲に恐れられている
転入生の矢場杉に家を知られ恐喝されてしまう。


【気の抜けたビールで…】

ハードボイルドにあこがれる刑事のヨシオは
署内の先輩内須河からハードボイルドを学ぼうと相談した。
冷めたピザでも食うんだな。
謎の言葉を発した内須河の真意を探るため
ヨシオは彼と行動を共にし、ハードボイルドの何たるかを
得ようとするというコメディー。

【修学旅行】

修学旅行にやってきた主人公は自分の知る人物が
次々と「反転」(主人公が主観的にこうだ!と捉えている
キャラクターと逆の反転した存在になっている)
という驚愕の事実に気付く。
しかも周囲はそれが当たり前であり、
彼らにとっては何も違和感がないようだ。
ホラーである。
そんな折、主人公は彼が避けている同級生アジャから
告白された。「反転」した結果…
そこには主人公好みの女の子の姿があったのだ…。

など11作+αを収録した石黒正数先生の短編集。

徳間書店
ラベル:石黒正数
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2013年03月03日

漫画『それでも町は廻っている(通称それ町)』石黒正数

とある商店街にあるメイド喫茶シーサイド。
テキトーな接客をする女子高生探偵をめざす嵐山歩鳥と
年を召したメイド服を着た老婆がいる謎の喫茶店だ。
メイド様(歩鳥)の機嫌を損ねると勝手に追加注文されたり
おざなりの接客をされてしまうなんちゃってメイド喫茶。



ちなみにシーサイドとは名ばかり。
海になぞ面していない。(東京都大田区在住)

メイド喫茶の店員にあこがれていた辰野俊子は来店し、
紅茶がメニューにもなく接客もいいかげんなこんな店は
メイド喫茶ではない。と一喝。
しかし歩鳥めあてで喫茶店に常連としてやってきていた
同じクラスの真田広章に恋心を抱いていた辰野は
真田と親しくなる目的でシーサイドの店員に。



辰野加入でシーサイドは生まれ変わると思いきや、
三者三様の接客を行う自由すぎる店に。
ちなみに辰野がつくる料理はうまいと客、店長の評価
共に高いが自意識過剰で謙虚さがないのが玉にキズ。
歩鳥のつくる飯は基本的にマズイか素人レベル。
コーヒーの淹れ方もあやふやなので
酸っぱかったり苦すぎたり…。

仕事をサボりにやってくる、自称元番長の
魚屋の真田勇司(広章の父)・八百屋の菊池貴則、
彼らの舎弟だったクリーニング屋の荒井和豊、
葉鳥と仲の悪い町のお巡りさん松田旬作、
成績が悪く葉鳥を危惧し、いつも胃を痛めている
カタブツの数学教師で担任の森秋夏彦。
あとは、葉鳥と辰野の友達や先輩の紺双葉くらいしか
基本的にやってこない店である。


【探偵を本気で志す歩鳥は推理ばかりしている】

基本的に、日常にあふれる謎や普通の出来事を、
ときにミステリー仕立てに、すこしふしぎな(SF)に、
ときに悲しく、ときにおかしく描いている。
舞台は喫茶店や高校、商店街が多いが、
サスペンス仕立ての話になることも多い。
(歩鳥は近所のお姉さんの影響で
推理小説をよく読み、かつ物事を推理する
ことが大好きなことに起因する。
彼女は作家であるが歩鳥には秘密にしている)
その推理は見事に的を射ることもあるが、
完全に的外れなこともある。
歩鳥は自らをホームズ、安楽椅子探偵になぞらえ、
勝手にその場に居合わせる者をワトスン役にしたてる。
森秋はホームズの因縁の宿敵である
モリアーティ教授をもじったものと思われる)

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例外的に葉鳥が臨死体験をしたり、
宇宙人(UMA的なもの)が登場したりする
非日常的な物語もあるが、原則的に
日常と非日常がつながって描かれている。
時系列が物語順でないので、
紺先輩が高校を卒業していたり、キャラクター同士の
距離感が違っていたりするなど細かい描写が斬新である。
エピソードごとにオチをつけるのが非常にうまい作品であり、
バックの何気ない演出が心憎い。
(習字で「人情」がたくさん貼ってあるシーンが好き)

主として歩鳥が物語の視点であるが、弟猛目線のものや
ペットのタヌキジョセフィーヌが主人公の回もある。
不思議な【なつかしさ】や【味のある】独特の
世界観を持つ物語。現代においてどんどん失われていく
【商店街】などの地域のつながりや人情味を描いており、
ある種「理想郷」的なコミニュティとして存在する
丸子商店街の面々。そして周囲の町に暮らす人々…との
あれこれを描いたイヤミのないギャグマンガといえよう。
何度も楽しめる緻密で丁寧な作りと遊び心が光る。

通称“それ町” 少年画報社 YKコミックス 
全16巻 ☆☆☆☆☆

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2012年09月13日

漫画『木曜日のフルット』石黒正数

自称ノラネコのフルットと彼を餌付けする仕事もせず
ギャンブルばかりのダメ人間鯨井先輩らの日常を描いた
ギャグ漫画。(鯨井は整体師である頼子の先輩。
「それ町」の人気キャラで紺先輩に似ている。)
作風はユルフワ系であり、猫が擬人化されており
登場キャラは2〜3等身にデフォルメされているのが特徴。
ネコキャラは高い思考能力・洞察力を持つが
別に人間としゃべれるわけではない。
日常にありそうな事象とファンタジーが同居する世界で
簡素化されたキャラクターたちの発想がおもしろい。
2ページ完結で描かれている。

秋田書店少年チャンピオンコミックス ☆☆☆


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2012年09月02日

漫画『Present for me』石黒正数

地球が壊滅的な状況を受けた23世紀が舞台。
人とロボットが奇跡的に出会い、壊れてしまった
ロボットを修理するために奮闘するという
ハートフルストーリー。
登場キャラも少なく完成度の高い短編。

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【ススメサイキック少年団】

とある無人島。
そこには超能力研究のためにつくられた
極秘機関の研究施設があり、超能力研究がされていた。
しかし謎の爆発によって施設はなくなってしまう。
「透視」が可能な少年高見順太、
触れずに物体を破壊することができる樋口一子、
物体を発火させる少女井伏真澄の三人は出会え
なんとか生き延びようと力を合わせることに。

【バーバラ】

家に突然魔女がやってきた。
しかし、漫画界・アニメ界のお約束である美女ないし
美少女ではなく、ちょっと残念な容姿だった。
しかも、魔女バーバラの使い魔のビッグフットは
微塵もかわいくないただの大飯ぐらい。
なんとかして魔女たちを追い出したい主人公だったが
アパートの大家さんも魔法で洗脳されてしまい
立ち退かせられない。

など7編を収録した短編集。
「それ町」の原点がここにある。
Present for me 石黒正数短編集 (ヤングキングコミックス) [コミック] / 石黒 正数 (著); 少年画報社 (刊)
ラベル:石黒正数 短編集
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2012年08月05日

漫画『外天楼』石黒正数

ロボットが人権を有し、発達しすぎた科学によって
より多くの倫理問題を抱えることになった近未来社会。
キャラクターの葛藤と果てしない欲望と矛盾を
鋭く描いた傑作SF。
ギャグ漫画テイスト+ミステリー要素という
石黒先生の得意とするほのぼのとした作風にとどまらず
残酷なまでの切なさを加味している。
人はどこまでも罪深い。

タイトルの「外天楼」(Getenrou)は
建増・改築によりまるで迷路と化してしまった住宅群。
そんな外天楼にまつわるキャラクターが織りなす
人間臭いドラマが展開される。

エロを求める三人の少年たちは
外天楼に捨てられたエロ本を手にして狂喜。
少年たちは謎をはらむエロ本に注目し考察を経て、
少年の一人アリオの姉キリエと共に真実を導き出す。

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【エロカースト】

そしてときは流れて……。
美しい友情?によってエロ本を分け合った三人の少年は
全く別の道を歩むことに。
しかし、かつてのエピソードが後に起こる
一連の殺人事件に大きく関わってくるのだった。

人工生命学の権威である鬼口獰牙
(きくちどうげ 鬼畜 外道のもじり)が
何者かによって殺害された。
新米刑事桜庭冴子はこの事件を捜査するうちに
謎を秘めた姉弟(キリエ・アリオ)の影を追うことに。
冴子は自分勝手な推理というよりも妄想や暴走をはじめ、
事件関係者と先輩刑事を翻弄する。

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事件の裏に隠された許されざる行為とその代償とは?
人間の欲望が生む悲劇。
ラストが切なくて泣ける。

講談社 KCDX 全1巻
外天楼 (KCデラックス) [コミック] / 石黒 正数 (著); 講談社 (刊)

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2011年11月26日

漫画『響子と父さん』石黒正数

イラストレーターの響子には庭で模造刀を振り回す
わがままで厄介な父親がいた。
奥さんを旅行に送り出せる位の度量はあるのだが
まともに自炊もできずインスタントラーメンばかり
食べている父を心配した響子は、
留守中くらいはと父の面倒を見ることに…。
しかし、そこは厄介さんのこと。珍騒動が巻き起こる。



響子の結婚話(結婚の条件は人生ゲームで勝つことだ)や
行方不明中の妹春香との幼少時代や
家族が離れてしまったエピソードも交えて
家族のありかたを描いたヒューマンコメディー。
少しズレているボケのオヤジ、
しっかり者のツッコミの響子さんの兼ね合いも
見事でおもしろい。



また本作では同著【ネムルバカ】の春香が登場し、
ネムルバカで活躍する春香の過去話や
それからが描かれていてファンにはうれしい演出。
徳間書店リュウコミックス 全1巻 ☆☆☆★


『電話で本音がポロリ…いい話や』
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2011年11月04日

漫画『ネムルバカ』石黒正数

大学の女子寮のルームメイトの先輩ルカと後輩柚実。
バンドのボーカルとして音楽にどっぷり。
でも、いつも音楽の世界で壁を感じているルカ。
特に何に打ちこめているわけでもない柚実は
バイトに明け暮れている。
そんな二人の日常を恋愛問題や
友情などを交えながら描いた青春物語。



社会から見たらモラトリアムというぬるま湯。
でも、本人たちにとっては大事。
金欠にあえぎながら成功を夢見る先輩と
フツーの生活にあこがれる後輩のありふれた日常。

そんなルカに思いがけぬチャンスが降って湧いて…
この世界観やキャラクター設定は
【それでも町は廻っている】の
主人公葉鳥(柚実)と紺先輩(ルカ)に
通じるものがあるなぁ。
ちなみにタイトル【ネムルバカ】(眠る馬鹿)は
柚実が寝ているときに奏でた歌がその由来である。



徳間書店 RYU COMICS ☆☆☆★
ラベル:石黒正数
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
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 幼少の頃から
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 そして、実際にならなかった
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 脳内で響かせている。