2008年05月05日

「同窓会 暗黒編」

「まさか同窓生がマルチしてるとは……」
冗談交じりに笑いながら語ったあいつの顔は
少し淋しそうだった。

3次会の会場にて。話題の尽きてきた私たちは、
同窓会にこなかった連中の話をし始めた。

「子育てをしていて、スーパーとかで見かける」
「すごい格好で歩いているのをみた」
「あんまり変わってないみたいだよ」
「彼氏or彼女を連れているのを見た」

と、様々な情報が行き交った。その中で、
そういえば、あいつはどうしたのかな……と
思った。あいつとは、今回の冒頭で登場した
この場にいないマルチをやっていた男のことだ。

彼は、転校生として私たちの小学校に温かく
迎え入れられ、同じ小学校・中学校を卒業した。

小6当時、「俺、おまえのクラスの○○が好き」
となぜかこっそり教えてくれた。はにかみながら。
あいつは、ルックスよかったし、実際中学校に
行ってからもかなりモテていた。中には恋愛当事者
の一人から「女ったらし」という、ありがたい
お言葉&仇名をつけられていた位だから、
やはり相当モテていたとみていいだろう。
そして、補足するなら、彼は少なくとも私の身近に
いた小学校当時は、他の同窓生と変わらず、
「いいやつ」だったし、そう見えていたのだ。


「悲しいよ。あの優しかった−P−君が、俺ダマして
 1万円持って行ったんだ。あの時、本当ギリギリの
 生活してたから、マジで苦しかった。ふざけるな
 って、思ったよ。ごめんね、こんな話ししちゃって」

酒も入って、こう語ったK君は私が知る限りいつも陽気な
ムードーメーカーであり、小学校の時からドラムを
叩いているようなちょっと風変わりな男だった。
自分が苦しんでいる姿を、あまり人に見せようとしない
タイプのK君だったが、酒も入り愚痴のひとつも言いたく
なったのだろう。私は知らなかったが、K君以外にも
小学校当時いっしょにお祭りに出かけた、ムウ君とかにも
−P−はあやしげな話を仕掛けていたそうだ。

「本当あいつ、なにやっているんだろうな……」

私よりも、中学校当時−P−と身近にいたメンバーは
多かれ少なかれ、こんな話しを仕掛けられたり、また
同じ被害に遭わないように情報交換していたらしい。
話してくれたK君には、そういう意図もあったと思うし、
聞いてよかったなぁと思う。

私は成人式に出なかったので、そんなことを知らなかった。
なんとなく、話にのぼらないなぁ……と思っていた同窓生の
中には、意図的に名前を挙げない・挙げられないメンバーも
いたりするのだと思う。また、無責任な憶測で来れなかった
同窓生のことをあれこれ言うのもイヤなのかもしれない。

連絡が取れなかった、仕事の都合で、家庭の事情で
単に行きたくなかった……いろいろな事情があったの
かもしれない。「会いたいなぁ」っていう同窓生はいたが、
「会えないなぁ」っていう同窓生もいたのかなぁ……。
ちょっと悲しい。

「思い出は優しいから甘えちゃダメなの」(FF10)

楽しかった小学校時代を追想し、私たちは笑いあったが
その中にはほろ苦いものや、人に言えない格好悪い面も
たくさんあった。でも、それが「笑い話」にできるように
同窓生や私は、自分なりに頑張ってきたんだと思う。

もちろん、−P−をはじめ、ここに来れなかった同窓生も
いろいろな道を歩んできたし、歩んでいくのだと思う。

恥ずかしくって言えないような過去も、全部ひっくるめて
自分。そりゃ、うまくいかないことや、悲しかったことも
つらかったこともあった。でも、同じ数だけ喜びがあったし、
美しいエピソードもあった(はずだ)。私は、時に人は
優しい思い出に甘えてもいいと思う。でも、それはあくまで
一時的なものであり、たとえば過去の栄光にすがるとか
現実から目をそらす手段&逃げ道にしてはいけないと思う。

私は、闘争本能ならぬ逃走本能を有するが、たまには
幸せについて本気出して考えてみたりしようかなと思った。

あと、私が当時好きだった人は、自分の夢をかなえるために
イギリスに渡り、なんか情熱的な恋愛をして、恋人を追って
現在大阪にいるとかいないとか……。本当か嘘かは知らないし、
脚色されてないか?と思ったが、それは言わぬが華。

いつだって思い出のあの人は、背筋をピンと伸ばして
胸張って生きていたなぁ……と感慨にふけてみたり、
実際に老けていたり。
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 安寿の加齢なる日常(日記) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。