2008年02月25日

マンガ『地球の行方編 藤子・F・不二雄短編集』

評価は最高評価の☆☆☆☆☆。

地球滅亡を描いたSFもののマンガであり、完成度は高い。
作品に、一切の妥協はなく、死やピンチに直面した人間が
とると思われる行動がありていに語れた名作であり、
内容はかなりきつめに仕上がり。完全に大人向けの作品。

ハンターハンターの1巻の印象的なセリフ

「あらゆる残酷な空想に耐えておけ
 現実は 突然無慈悲なものになるのだからな」

というセリフが思い出された。


「カンビュセスの籤」

荒野を歩く兵士サルクは、ぼろぼろになりながら光の射す方へ
導かれるように歩く。彼は、エチオピアへの遠征中「地獄」を
体験していた。そして、彼が見たものは、面妖な格好をした
全く違う言語を用いる女性と不思議なもの(コンピュータ)。

九死に一生を得た彼だったが、現実はあまりにも残酷だった。
生き残りをかけて、二人は籤(クジ)を引く。
それは、人類の存亡と自らの存亡をかけた「地獄」の選択。

「なぜだ!?なぜそんなにまでして生きねばならぬのだ!!」
彼の悲痛なまでの叫びが悲しい。


「定年退食」

増えすぎた人口。慢性的な食糧不足によって、新法≒「姥捨」が
復活。ほのぼのとしたタッチで描かれながら、その無慈悲なまでの
新制度は、ある年齢に達した者に対して容赦なく施工される。

読んでいてつらくなった。明日は我が身なのだから。

「わしらの席は、もうどこにもないのさ」(作中より)


「大予言」

有名な予言者が発狂したわけは……。

人類が直面する諸問題に対して、本気で取り組んだら発狂せずには
いられないだろう……というブラックジョーク的作品。
不都合な真実には、目をつぶっているよねというアイロニー(皮肉)
と、社会問題に一石を投じた作品。


「みどりの守り神」

細菌によって、世界が滅亡した。奇跡的に生き残った主人公たち。
なぜ、生き残れたのかに関してはちゃんと語られている。

「植物と動物は互いに助け合って生きてきた」


「間引き」

人類が急激に個体数を増やしてきたのは、ごく最近のことだ。
その上昇には、歯止めがかかることなく進んでいる。

「コインロッカーベイビー」に象徴されるような、愛が欠如した
人々のとる行動とは?作品当時は、45億人だった人口は、
現在約60億人。人間も「死の行進」(レミング)を続けるのか?

「人工増殖率は、ずうっと0.001%だったんですよ」


「宇宙人」

宇宙人との交信を夢見る少年は、超難関の門をくぐり抜け、
宇宙パイロットになるのだが、恐ろしい未来予想図を知ることに。

「どこで、なにが、どうまちがったのかぼくらにはわからない」


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posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 18:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤子不二雄『SF、パーマン』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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