2007年12月13日

漫画『最終兵器彼女』高橋しん

北海道を舞台に、クールだが不器用なシュウジと、

どんくさくて、小動物っぽいかわいさを持つチセ。

高校生で、不器用でな若い二人が恋をする物語。

基本的に、まじめでシリアスなストーリー。

世紀末を題材とした世紀末物漫画としては「エヴァ」の次に有名。


世紀末物:「ノストラダムスの大予言」や、宗教の教え等によって、

     「世紀末」に人々が言いしれぬ不安を抱えるようになる。

     「新世紀エヴァンゲリオン」(=エヴァンゲリヲン) 
     
     がブームを起こしたのは、時期を捉えたからでもあり、

     また同時に内容も優れていたからだと思う。
     
     実際に90年代後半は、「ノストラダムス」の大予言に
     
     多かれ少なかれ人々は言いようのない不安を抱えていた。
     
     また、小説・マンガ・メディアもそれを題材とした
     
     作品を次々と発表している。


2〜3割方のおふざけ要素や、ほのぼの要素が入り、

性描写が結構入っていることが特徴。

人間のきれいな部分と、醜い部分がリアルに描かれた傑作である。


最終兵器彼女とは
 
 主人公「チセ」のこと。
 
 作者が「自分の彼女が兵器だったらいやだなぁ」と思いつき、

 物語の主要なコンセプトとして描いた。
 
 チセの能力としては、「最終兵器」の名に恥じない?
 
 破壊的な能力を持ち、戦場では「死神チセ」と呼ばれる。
 
 高度の飛行能力を有し、戦場における敵の数やその距離を把握し、
 
 破壊的な攻撃力を持つ爆弾や兵器などを身体に搭載している。
 
 
 作中チセは、兵器になってしまったことを相当悔やんでいるが、
 
 なぜそんな理不尽な要求を呑んだのかは曖昧としていて不明。
 
 また、チセの身体にかかる負担は相当なものらしく、
 
 あやしい薬を飲んでいたり、情緒不安定になったり、
 
 感情を支配されたり、兵器のようなものが身体からこぼれたり、

 最悪誤作動を起こしかねない、など課題は山積み。

 
 チセはやさしく、いい子なだけにその苦しみもがく姿は涙を誘う。
 
 もちろん「恋人」であるシュウジも苦しむが、

 その苦しみはチセの非ではないと思う。
 
 無力感と焦燥感が漂う中で、シュウジに何ができるのか?

 
 なんで戦争をしているのか?
 
 どこの国とどんな団体と、どんな理由で、戦っているのかは、
 
 はっきり描かれていない。あまりリアルに描くと問題になるし、
 
 それはあまり物語の進行に関係ないので、割愛されている。
 
 
 でも、人は過ちを繰り返すものだし、明確な「理由」なんて
 
 いらない気もする。民間人にとっては、「戦争」は一方的に、
 
 理不尽に叩きつけられるものなのだから。

 作中、誰が悪いわけでもなかった……というセリフが登場するが、
 
 本当にそうなのだろうか?


シュウジ、チセ
 
 彼らに苗字はない。その方が、愛着が湧くと作者が考えたから。
 
 また、彼ら以外にも、魅力的なキャラクターたちが登場する
 
 ことも付け加えておきたい。


物語増版につき……
 
 作者高橋しん氏は、「いいひと」、「最終兵器彼女」と
 
 本来の予定よりも多くマンガを書くタイプのマンガ家である。

 「いいひと」では、連載終了後も書き、「最終兵器彼女」も結局、

 大増量して描かれた。また、サンデーでもマンガを書いたが、

 読者層を意識しすぎたのか、その内容は本来の作者の持つ力を

 存分に発揮できなかった感がいなめない。

 また、最終兵器彼女には番外編があるが、イマイチである。

 全7巻+番外編がある。


posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 08:31| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック



すべての道は漫画道に通じる
漫画を読みながら
戦争はできない
漫画& 漫画と共に生きる
わが漫画ライフに
いっぺんの悔いなし!

【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
 やっています。
 漫画以外だと
 生駒里奈さんと
 松井秀喜さんと
 ずんの飯尾さん、
 本と犬と猫、
 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。