2007年12月12日

漫画『名門!第三野球部』むつ利之

あすなろ あすなろ あすなろう 大きなヒノキにあすなろう!

チビで泣き虫な、典型的ないじめられっ子檜あすなろが主人公。

桜高校は、野球の名門校であり、3軍まである。
あすなろたち3軍の面々は、
草むしりや球拾いをさせる為の野球部の「お荷物」である。
ある日、「練習の邪魔になる」と監督から一方的に退部を
命じられる。三軍メンバーを「クズ」と言い切る、
非道な監督や一軍のバッテリーの言葉に対し、あすなろたちは
「一軍との試合」を要求。勝ったら、三軍が一軍という「約束」を
得るが、億に一つも勝ち目はないと思われた。なぜなら、彼らは、
7人しかいなかったからだ

あすなろを慕う夕子が加わり、監督を殴り三軍にとりあえず
籍だけを置いていたキャッチャー海堂を必死で説得。
野球に対して、未練を残していた海堂は心を動かされて、
あすなろたちと練習を始める。河原でのノックは凄絶を極め、
メンバーはぼろぼろになり、小西は弱音を吐く。
チーム分裂の危機を、あすなろが「とりあえず、やり遂げよう」
と励まし、彼らは日に日にたくましく成長する。
また、あすなろのピッチャーとしての「素質」を見抜いた海堂は、
あすなろにコースをつく「投げ込み」を徹底的に教える。基本に
忠実なあすなろは、めきめきと力をつけ、制球力に磨きをかける。

そして、彼らは一軍と戦い、意地を見せるのであった。

作品は、「根性」系スポーツマンガの典型的な作品であり、
「六等星」だった彼らが、いつしか人々の賞賛を集めるスター並の
輝きを見せるようになる感動的な野球マンガである。ひたむきで、
ユーモアに溢れ、チームワークのよい三軍メンバーが試合や練習を
通して成長。悪役であった登場人物・対戦相手、周囲の心を
よい意味で変えていく「勧善懲悪」的なストーリーは心地よく、清々しい。
後ろ向きだった三軍メンバーは、成長するにしたがって、
「明日のこと」を前向きに考えるようになった。
まさに、「あすなろ」の精神にあふれた内容である。

高校生編とプロ野球編があり、プロ野球編は映画「メジャーリーグ」
のパロディーだが、作品に流れる基本的なスタンス・よさは変わらず
にストーリーは展開される。
あすなろ、そしてライバル桑本らに触発された万年最下位のチームが
新たな「奇跡」を生み出す。

ツッコミどころ
 ・桜高校の二軍は何をしていたのか

登場人物
 檜あすなろ(ピッチャー、右投げ右打ち)
 その才能は無限大。小柄な身体ながら、常人離れした手の大きさと
 握力を有し、大きな投球フォーム、現在の「ジャイロボール」的な
 ストレートを投げる。(原作では「螺旋ボール」と名づけられる)
 また、ランニングなどによって鍛えられた強靭な下半身によって、
 制球力が安定していて、海堂の勧めで「一本足」打法を身につける。
 まじめで、ひたむき、努力家の仲間想い。母子家庭で、苦労して
 育つが、山で死亡した父の強いハートを受け継いだのはあすなろに
 とって、大きな財産と言えるだろう。海堂に対して、絶対的な
 信頼を寄せるが、後にスランプに陥った海堂に対して、的確な
 アドバイス・奮起をうながす。夕子に思いを寄せるが、作品中
 べたべたした描写は特にない。
 「本気で向かってくる相手には、全力でぶつかるのが礼儀」という
 心情を胸に試合に臨む野球大好き小僧である。いじめられっ子を 
 卒業し、そのひたむきな姿はいじめていた人物の心を動かす。

海堂(キャッチャー、右投げ右打ち)
 「桜校の落合」という異名を持つ、天才バッター。実際に、ブランク
 を感じさせない迫力のあるバッターで、ライトへの流し打ちが得意
 である。まじめで、一本木な性格で、裏表のない男らしい性格。
 チーム内の信頼が厚く、あすなろを始め、三軍メンバーの甲子園
 経験のある彼は、大きな心の支えとなり、常に彼らを鼓舞する。
 三軍メンバーを徹底的に鍛え上げ、後の伝説を作り上げた張本人。
 バッテリーを組んでいたピッチャーに、無理な続投をさせた監督
 を殴り三軍に席をおいていたが、一度は諦めた野球の道を選ぶ
 きっかけを作ったあすなろに感謝の念を抱く。
 後に、大学野球、プロ野球に入団する。

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斉藤(一塁手)
 長身の間抜け面だが、本気で怒った時の怖さは折り紙つき。
 顔つきはガラリと変わり、実際にバットの振りは鋭くなる。
 「最強の9番打者」の異名をとり、名言・迷言を吐く名物キャラ。
 お坊さんの家の子であり、よい住職になりそうな好人物。
 「グラウンドの借りは、グラウンドで返す」が心情。

 小西(ライト)
 人から「デブ」と言われるのが大嫌いな鈍足のライト。
 その能力は未知数で、基本や定型がないが、強肩・バカ力で
 あり、「悪球打ちの小西」の異名を持つ。ハートは弱く、また
 キレやすい単純な性格であるが味のあるキャラである。
 白石兄弟とよく喧嘩をするが、「モテる男が嫌い」という点に
 関しては、彼らと意見が一致しタッグを組む。
 「明日のことを前向きに考えるようになった」、
 「自分の所にボールが飛んでこなければいいとか思ってた。
 ごめん」など、自分の感情を素直に吐露する場面が印象的。
 意外性のある男である。

 白石兄弟(ショート、セカンド)
 双子。俊足の持ち主であり、二人で二遊間を守る。バントの
 名手として成長した二人は、桜校のリードオフマンとなり、
 足で相手をかき回す。小西としょっちゅう喧嘩をしている。

 高橋(センター)
 「ガッツマン高橋」の異名を持つ彼は、彼は常にガッツ溢れる
 プレーで桜校のベンチに勇気を与える。デッドボールを受けても、
 「塁に出られる」と喜び、フェンスに激突し歯が抜けても
 「キャッチできた」と喜ぶ姿が印象的。ある試合では、高橋に
 狙い撃ちがされる。超がつく努力家。

 石井(三塁手)
 名手であり、守備の要。めだたない彼だが、「一軍と試合をさせて
 下さい」と掛け合ったのは、彼である。鉄壁を誇る守備に反比例
 して、バッティングは苦手だが、後に打撃開眼をするストーリー
 がある。濃いキャラ達の中で、イマイチキャラ立ちしていない。

 夕子
 あすなろに想いを寄せる同級生。パッとしないあすなろを昔から
 支えてきた、優等生美女であり、男を見る目があるなぁと思う。
 元ソフトボール部のバレー部であり、7人しかいない三軍と一緒に
 野球をやると自分から言ってくれた好人物。河原での特訓や、
 試合中には強いハートを見せ、弱気になった三軍メンバーを
 勇気付ける。姉さん女房的な雰囲気を漂わせる。

 達郎(レフト)
 金持ちの道楽息子であり、テニスの腕前は一級品。
 当初は嫌な奴であったが、ひたむきにプレーする三軍メンバーを
 見て、心変わりする。冷静な判断を下すのに長けている。
 夕子のいとこであり、小西のクラスメイト。
 典型的なモテる男であり、ガールフレンドがいっぱいいて、
 彼の周りはいつも華やかである。テニスで鍛えたミート力は
 伊達じゃなく、打球を自分の狙った場所に打ち返す。
 スイッチヒッター。

 桑本(ピッチャー、左投げ右打ち)
 桜高校と千葉県代表をかけて戦う、「銚子工」校の1年生エース。
 あすなろのライバル。試合中に夕子をいきなり口説きだすなど
 わかりやすい女好きで、超がつく自信家。
 身体以上に態度がでかく、先輩のミスに文句をつける、
 試合を途中でやめると言い出すなど傍若無人な態度をとる。
 1年生ながら190cmを超える長身・長い手足を持つ彼は、
 はじめは強力なカーブを持つ変化球ピッチャーだったが、
 あすなろとの対決によって、感じるものがあったらしく、
 努力を重ね、豪腕投手として第三野球部の前に立ちはだかる。
 また、長打力を持つ強打者である。
 プロ野球編でも登場。あすなろを超える逸材。
 最終的には、100マイルピッチャーになる。


ワイド版全16巻。
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 09:08| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。