世界の地図を書き換え、東京皇国や浅草以外にほぼ人類が潰えた世界は一大宗教、一大企業、そして軍隊などにより復旧され、生活を送っていた。しかし、この世界では人体発火現象、焔ビト(人が害をなす存在になり、)化した人間が他者を襲う。また、より強い焔ビトは鬼化、巨大化して甚大な被害を起こす。また人々の中には、炎を操る能力者たちが生まれはじめる。第二世代、第三世代能力者と言われるように。人類は謎の脅威に対し、特殊消防隊を結成し、多くの能力者は消防隊に入隊するように。主人公である森羅日下部は幼少時に火災に遭い、母と弟を奪っていった謎の鬼を追い、第8特殊消防隊に入隊した第三能力者。秋樽大隊長、武久中隊長、マキさん、シスターアイリス、そして妄想バカの同期アーサーと共に人助けに明け暮れる森羅は謎の男ジョーカーと出会う。弟ショウは生きているというジョーカーの言葉は本当であったが、敵対勢力「伝道者」たちの魔の手に落ちていた。ショウを助けたいと奮闘する兄森羅はショウと出会うが奪還に失敗。いつかは助けて見せると第8の仲間たちと共に強く誓うのだった。(第8の仲間は増えていくのでお楽しみに)
特殊消防隊は8つ存在するが、必ずしも一枚岩ではない。隊、そして隊員たちの中には怪しい存在も多く、誰が敵か味方かわからない。そして敵だったキャラも味方になったり、その関係性も変わっていくところにこの物語の魅力がある。圧倒的な戦闘力や個性を有する大隊長たちに対し森羅やアーサーなどの若者たちが果敢に挑んでいき、それを超えていく。成長する姿、そして世代交代を受け入れる度量。そして世界に対して常に不満や疑問を持ち、謎や理不尽に対し抗い続ける男紅丸新門や無能力者でありながら最も尊敬を集める男桜備など魅力的な男キャラ、アイリス・マキ・タマキ・ヒバナといったかわいい女性キャラの奮闘も見逃せない。8人の柱、炎は8文字、ハチなどこの作品のキーワードの一つは8という数字だ。ラッキースケベられ体質、アドラバースト、天照(アマテラス)、ドッペルゲンガーなどのキラーワードもセンスがよい。シリアスな話の後におバカ回を挟んでくる遊び心やゆとりがあるのもこの作品の魅力。もっと売れてもいいのになぁ。
講談社マガジンコミックス 27巻〜 ☆☆☆☆☆
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