2020年12月16日

漫画『五等分の花嫁』春馬ねぎ

未来の花嫁である五つ子との過去の思い出を回想しながら
現在に繋げていくミステリー要素を取り入れた新感覚ラブコメ。
ミスリード(解釈の違いでどうとも取れる)のうまさ、
伏線の改修の見事さやストーリーのバランスの良さが光る。
個性的で魅力的な五人の女子高生が勉強至上主義の唐変木と関わり
徐々に6人での協力体制に移行していき、成長していく姿に感動する。
いわゆるハーレム漫画とは一線を画す傑作学園ラブコメ。

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学食でもぼっち飯で勉強に明け暮れる上杉風太郎(フータロー)は
全教科満点男、勉強はできるが社会性・社交性は0点で
バカの片鱗を見せる。友達はおらず他人とは極力関わらない。
学食で相席した美少女中野五木は1000円以上を使うセレブ。
彼の満点のテストを見た五木は勉強を教えてほしいと頼む。
だがあっさり拒否しその場を去る。そんな彼に妹から電話が届く。

「一般的な報酬の5倍のお金を出す家庭教師の依頼があって、
 お兄ちゃんの学校の転校生がその生徒らしい」
借金にあえぐ家庭を助けられるかもしれないと考えた彼だったが
自分のクラスにやってきた転校生がケンカ別れした彼女だった。
あれ、家庭教師の生徒って彼女か仲良くなるしかないな。
関係の修復を図る彼だったが露骨に避けられてしまう。
なんとかしなければ…と必死になる彼は学食で五木を見かけるが
友達と談笑している。近づきたいが4人の友達に阻まれる。

なんとか接触したいと五木を追いかけてマンションに突入。
(いや、それヤバいって)。自分は家庭教師だと告げる彼に対し
五木は露骨にがっかりし、自分たちは五つ子で邪魔をしてきた
他の面々も姉妹だとわかる。五つ子との出会い、そして後の日々を
思い出すとき彼は夢(悪夢)のようだったと述懐するのだった。

クソまじめで不器用な五女の五木、お姉さんキャラの長女一花、
ケンカ腰で毒舌な次女の二乃、コミュ障気味の歴女で三女三玖、
脳天気キャラの四女四葉の五つ子は勉強嫌いで苦手意識がある。
容姿は満点だが学力は赤点ばかりで、前の学校も落第しかけ
転校してきた中々の逸材だ。フータローが家庭教師を続けられる
条件は彼女たちの赤点を回避し、無事に高校を卒業させること。

情熱なんてないが報酬はほしい。テストで合格点さえ取れば
自分はお前たちに関わらない!と宣言し、五人に受けさせる。
100点だった。…五人合わせて。全員が正解している箇所が違う
ことにわずかな光明をギリギリ見いだしたフータローは、
潜在的に五人とも満点を取れるのではないか!となんとか思いつき
五人に勉強をさせようとハッパをかける。

やる気だけはある(が学力はついてこない)四葉や、
裏の顔を持つ一花、戦国武将好きの三玖が勉強に参加するように。
第一印象最悪だった五木、姉妹に近づく彼を警戒する二乃は
心を開いてくれず苦戦を強いられる。だがフータローの方が
他人とは没交渉というポリシーを曲げ、本気で彼女たちと関わろう
としていく中で徐々に和解していく。

徹夜の勉強によってなんとかなるのではないか?
とみんなが100点をとる夢をみた彼だったが、
現実は甘くなかった。全員1教科ずつ及第点、4教科ずつ赤点。
この残念な結果を五つ子の父に連絡するフータローだったが、
五人全員で5教科赤点を免れたという二乃のフォローがあって
クビを免れた。思わぬ形で助けられた彼だったが、
彼女たちの学力を考えたら綱渡りであることは否めない。
しかし、自分と妹、五つ子は一蓮托生。自分がこけたら
他の六人の人生も狂わせてしまう。案外彼は責任感強いし、
本当の意味でプライドが高いようだ。

五つ子に振り回されながら、林間学校、学園祭、修学旅行などの
学校行事や夏祭りやプールにバイトまでこなすフータロー。
常に胃はキリキリと痛み、心労のあまり目を開けたまま寝落ち
してしまうことも多い。五つ子との出会いによって全く人と
関わってこなかった彼がメチャクチャ変えられていく。
そして小学校の時に京都の修学旅行先で自分の生き方を変えた
謎の美少女の正体は五つ子の一人だった。

五人はそれぞれフータローとすごしていく内に彼に
惹かれていく自分の想いに気づいていく。
でも他の姉妹もフータローのことを好きだと気づき、
その心を抑える者や暴走気味に恋の衝動に突き進む者と
五者五様。彼女たちは本気で変装し、他者を欺こうとするときは
全員同じ顔なので区別がつかないが、性格や趣味嗜好は全く別。
皮肉なことに好きになった相手だけは同じなのである。
五つ子の間にも秘密や隠し事が増えていく切なさ。
抑えきれない隠しきれない相手を独占したいという恋心。
これはもう修羅場の予感しかない。でも母から言われた
五つ子の絆や関係性も大事という複雑な葛藤もあって…。
この絶妙なバランスがすごいんだよなぁ。この作品は。

六人が悩み壁にぶつかり、いろんな選択をしていく中で
夢を見つけ成長していく過程を様々な角度から描く。
フォローがあった(フォロワーがいた)という裏舞台の
心憎い演出など作品に深みを与えている。
週刊少年マガジンコミックス 全14巻 ☆☆☆☆★

【五等分の花嫁 第一話】
https://pocket.shonenmagazine.com/episode/13932016480029113185
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:46| Comment(0) | ☆☆☆☆★のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 漫画以外だと
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 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。