2020年12月04日

漫画『響 小説家になる方法』柳本光晴

文芸界に革命をもたらす天才響は十五歳。描く小説は
神懸かっており、多分その才能は芥川・太宰級だろう。
小説界の藤井聡太、井上尚弥という感じだ。
但し、響は理性や社会性、礼儀は皆無であり機嫌を損ねると鉄拳制裁な
武闘派作家。やられたらやり返す!半沢直樹、ハンムラビ法典。
見た目はチワワだけど中身は狂犬、あらゆる相手に噛みつく。
ある意味平等なんだよね、こどもだろうと社会的な意味で
エラい人だろうと全然相手を選ばないわけだから。
天才的な文才や言語能力、カリスマ性、投擲能力、棚上げ力を持つ反面、
出会ったほぼ全ての人から社会不適合者という烙印を押される。
それが響である。

物神奈川の北世瀬戸高校に入学した鮎喰響が、唯一の理解者で
幼なじみのリョータロウと文芸部に入ろうとする
文芸部は不良の巣窟で早速響が部員とトラブルを起こす。
リョータ、部長のリカ、同級生のカヨコ、喧嘩相手タカヤと共に
文芸部に在籍していた響は、極力人と関わらず学校生活を送る。
趣味は読書、歩いているときも本を読んでいる本の虫だ。

雑誌「木蓮」編集部で賞の規定(データで送る所を原稿用紙で
送っていた)違反だった「お伽の庭」を読んだ花井編集は驚愕。
これは私の求めていた文芸の歴史を変えるような作品、作者だ。
問題は、どこの誰が書いたものだかが不明なこと。

花井はたまたま部長のリカと知り合いであり、「お伽の庭」が
響の書いた作品だということに行き着き許可を得ることに成功。
つつがなく何事もなければ、大賞を受賞することは確定的だ。
しかし響は核弾頭娘級のトラブルメイカー、問題を起こしまくる。
響の欠落した非常識な言動の数々によって、花井を筆頭に
周囲の人たちはフォローに追いまくられる。超問題児だが
圧倒的な文才の持ち主なので、尊敬や畏怖、愛憎の対象でもある。

社会現象的な大ヒットを飛ばす響だったが、周囲で騒がれることも
莫大な印税にも特に興味がない。メディアにも出たくない。
基本的に本が読めて書きたいときに小説を書ければいい。
作家(作家をめざす人)のほとんどが費やす執念だとか苦悩だとか
時間だとかを超越した超人だ。それは一般人からしてみたら
嫉妬や、やる気、やるせなさを与える厄介な存在でもある。

狭い世界で王様・女王様として増上慢し、威張っているキャラが
響によって凹まされることが多い。メディアに携わる「作り手」が
度々登場し、響とケンカする者も多いが結果的に和解?している。
それにしても暴力描写が多い作品だ。拳はペンよりも強しという感じ。
物語の大半は響の高校時代を描いているわけだが、基本的に
主人公は人間的(情緒面、礼儀など)には全く成長していない。
コジコジはコジコジ、響は響。これはひとつの心理である。
ブレない主人公を描き、作品や生き方が周囲に影響を与え
変化・成長させていくが主人公は変わらないという革命的な作品。
圧倒的な個性を放つヒロインが登場するギャグマンガ。
小学館ビッグコミックス 全13巻 ☆☆☆☆+
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 14:40| Comment(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 漫画以外だと
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 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。