2019年07月08日

漫画『雪花の虎』東村アキコ

上杉謙信は女性武将という説に基づく戦国絵巻。
争いの絶えない越後を平定し、武田信玄をはじめとした
ライバルたちとしのぎをけずる。
そんな戦乱の世の中を治め、民を守るため謙信立つ。
「男もすなる武将というものを女もしてみんとてするなり」

越後の龍(越後の虎)と恐れられ最強の武将の一人に挙げられ、
同時に「敵に塩を送る」エピソードなど戦国武将らしからぬ
仁・義を貫いた上杉謙信。
数少ない史料などから実は謙信女性だったのではないか?
という説があり、物語はここからはじまる。

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ときは戦国時代。
越後の長尾為影は領主上杉家を討ち取り下剋上を達成。
だがこのやり方は反感を招き、越後領内には
すきあらば為影を倒そうと目論む勢力も多い。
おまけに為影の息子である晴影は病弱の戦嫌いの洒落者。
領主なんて器ではないと自他共に認める存在だった。

為影の二番目のこどもは綾(女の子)、年をとって懐妊した
妻のこどもは是非とも男であってほしいと切望されていた。
信玄の母は不思議な夢を見たというエピソードがある。
毘沙門天が夢に現れ、その身体を貸してほしいと言われた。
為影はこの吉報に喜んだが、生まれてきたのは女の子だった。
落胆する為影だったが、赤子の足が太いことに気付く。
この子を男としてみなし、病弱な晴信をサポートする猛将として
育てあげる。おんなとして育てたいという母、姉綾の想いは届かず
為影はこどもに景虎と名づけ英才教育を施した。

野山を駆けずり回った腕白な景虎はたくましく成長を遂げ、
厳しい生活を強いられる寺での生活をすることに。
つらい生活の中で弱音を吐く景虎だったが徳の高い僧
宋謙と出会う。寺での生活で人間的な成長を遂げた景虎は
初陣を見事に飾り名を挙げた。だが、同時に彼女の活躍は
兄である晴信を周囲から疑問視、軽視させることにもなる。
兄を慕う景虎だったが、兄よりも景虎の方が領主にふさわしい
という流れは変えようがなかった。

一方、上杉謙信のライバルである武田信玄を見ていこう。
甲斐の虎と言われる戦国武将信玄の父親は戦上手。
だが感情的で民のことを考えない暴君だった。
暴走し家臣を切り捨てるなどの愚行をおかし信頼を失う。
人々は息子の信玄に期待を寄せ、彼を領主とみなしたことで
信玄も父を追放することを決断した。
戦をいったんやめ、農地改革や領土にある金山開発に乗り出す。
戦国時代に戦で領民を使えば、当然生産力は落ち、国力は下がり
それは他国からの侵略を許す結果になる。
地盤を固めることは国の滅亡を逃れるために緊急の課題だった。

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さて謙信(景虎)に話を戻そう。
強く、やさしく、美しく育った謙信は人々の心をがっちり掴み
優秀な家臣本庄らから強い期待を寄せられていた。
怪力無双の鬼小島弥太郎、絶対的な信頼を寄せる宋謙らに
支えられながら快進撃を続ける謙信だったが、母の容態が
悪いことを知り、兄、姉と共に馳せ参じる。
女として生きてほしいという母、姉の願いに触れた
謙信の胸中は…。

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妹景虎を花とたとえた兄は壮絶な死を遂げる。
そしてあの有名な川中島の戦い勃発!
もっとも、4度ある対決の序章、プロローグにすぎない。
お互いの様子見的様相を呈している。

名声を高めていく景虎には救いを求めてやってくる者が
後を絶たない。その中には、自分よりも遙かに位の高い
役職に就く者も。自分を客寄せパンダ、人気のゾウの
ように利用しようとする目論みに気づいた景虎は
景虎を使い気を休めることにした。

読み応えあり。歴史嫌い、歴史に自信のない方にもおすすめ。
困ったときはアキコのティータイム(おまけページ)を読もう。
7巻〜 ☆☆☆☆+ 小学館ビッグスピリッツコミックスヒバナ
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:40| Comment(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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 幼少の頃から
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 まさか漫画家になるとは
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 よく聴いています。