漫画『螺旋島』向山知成

早乙女鉄心は柊島出身の転校生。
島のゴミと言われた不良は事件を起こし
大切な人ミキと離れる決意をした。
そして努力を重ね高い学力を身につけていた。
そんなある日柊島で未知のインフルエンザが
報告された。不安にかられ電話をかけたミキから
助けて…と言うとぎれとぎれの言葉が…。
鉄心は単身、厳戒態勢の柊島に乗り込んだ。

物々しい雰囲気の柊島にやってきた鉄心は
自衛隊によって封鎖された島に驚く。
島にいる弟を助けたいという謎の女かおりと共に
海中を歩くことで島に入ることに成功。
２年ぶりに訪れた島は九頭龍研究所の台頭により
すっかり様変わり。
歩を進めるとまるで地震の倒壊後のありさま。
ミキの家を求めるが瓦礫の山が行く手を阻む。
超人的な力で夜通し動き遮蔽物を撤去したが
そこにミキの姿はなかった。

暗号のように残されていた中学校に赴くが
いきなり銃で撃たれ、体育館の中で見たものは…。
老若男女問わず学生服を身につけた人々。
怪しげなマーク、正体不明のでかい校長。
色々アウトな教頭。セーラー服のおばちゃん…。
そして裏切り者（仲間はずれ）を罰する人体発火。
夜は恐ろしいものが現れるという…。

命からがら逃げ出した鉄心とかおりは
島で絶対的な力を持ち悪だくみを企む九頭龍家の
面々たちから攻撃を受けることに。
登場する人物たちが含みのある笑いをし、
なんかもうイヤな予感しかしない。
螺旋島というタイトルが示す通り、
遺伝子関連の話や科学的な知識を駆使した戦いが
繰り広げられるが、主人公の戦闘力は超人的だ。
不屈の魂を持ったあきらめない主人公の姿勢が
他の登場人物に波及する作風がよい。
講談社マガジンコミックス　全３巻　☆☆☆★