アレンらの戦いを描いたバトルファンタジー。
仮想19世紀末頃、舞台は世界中であり、
キャラも多国籍、英語が共通語という設定。
黒の教団にやってきたアレン・ウォーカーは
絶対領域ヒロイン美脚のリナリー・リーや
気が合わずケンカばかりの剣士神田ユウらと共に
悪性兵器「AKUMA(アクマ)」を駆使する
ノアの一族(13人の使徒)を迎え撃つ。
イノセンスと(神の結晶)と言われる武器を用い
千年伯爵率いるノアの一族と死闘を繰り広げる。
人の魂をもてあそぶかのようなノアの一族に憤る
アレンであったが、自分の悲しい過去や
元々人であったアクマに同情を隠せない。
記録の番人として登場するラビ、アレン、リナ、神田と
主要人物の4人が幼少時に過酷なトラウマ体験をしている。
だから彼らの過去(秘密)が語られるとき沈まされる。
主人公たちが、「敵」と向き合うことは、
自分もその立場であったり、人の歴史が戦争の歴史だと
再認識させられる。そして結局、アレン側の黒の教団、
それを管轄する中央庁も人柱を立てている集団である。
忌まわしい「聖戦」という欺瞞(ぎまん)からも
察せられるようにどっちもどっちなのである。
人類の希望という名のいけにえがエクソシストであり、
有事の際にはヒロインであっても最前線に投入される。
その圧倒的な理不尽や、黒の教団らが抱える闇の中で
アレンは前を向いて生きていけるのだろうか?
物語の途中から取り沙汰される「14番目の使徒」、
そしてそのことから暗示される別れ。
挫折し、落胆し、打ちのめされて…
でもそんな時僕のことを支えてくれたのは
親父でもなく、お袋でもなく、そうリーでした。
悠久の時を経て流れるキャラクター同士の絆、
高い画力が魅力の作品。これだけ画力があるなら
シンプルなストーリーでも十分通用しそうだと思う。
次作は設定に凝りすぎない作品を書いてほしいものだ。
25巻〜 ジャンプコミックス ☆☆☆★
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