2017年09月09日

漫画『約束のネバーランド』白井カイウ 出水ぽすか

幸せで安息な楽園の日々は虚構だった。
孤児院は農園であり、孤児は食用の存在。
エマ、ノーマン、レイは絶望的な状況を知り、
脱出を試みる。かわいい絵柄にダマされるな!
この作品は大人をも魅了する傑作ミステリーだ。

孤児院グレイスフィールドハウスには38人の孤児と
彼らに愛情を降り注ぐママイザベラがいる。
規則正しい生活、おいしい食事、こどもたちは
鬼ごっこや読書など思い思いの楽しい日々をすごす。
里親が見つかるまで彼らは幸せな日々を送る。
しかし、IQテストのような問題を解き、
首筋には5桁のナンバーが刻まれている…
このことから読者は不審を抱き始めることだろう。
そして、絶対に近づいてはいけない門と柵の存在…。
P2017_0907_213105.JPG

無邪気で天真爛漫、感情的だがきょうだい想いなエマ。
ずば抜けた頭脳を持つ仁の人ノーマン。
クールな皮肉屋、反逆の貴公子レイの三人は幼なじみ。
孤児院はじまって以来の優秀な人材と言われている。
彼らは年少者から頼りにされる最年長の11歳。
規則では12歳を迎えた場合と6歳以上になり
里親が見つかると退園が決まる。
そして新たな孤児が家族として入園する。

ある日幼少のコニーの里親が決まり、退園することに。
ぬいぐるみを忘れたので渡そうとエマ、ノーマンは
ママとコニーを追いかけた。門にやってきた二人は
変わり果てたコニーの姿と本で見た空想のはずの化物
食人鬼を目の当たりにする。
しかも手引きをしていたのは信頼していたママだった。
そして、自分たちが楽園だと思っていた場所は、
鬼のいけにえにされる食用児を育てる忌まわしい農園。
思い返せば違和感を覚える変なことばかりだ。
逃走を許さない門と柵の存在。首筋のナンバー。
知識を問わないパズルのようなテスト。
ストレスを与えず、健やかな生活を送らせていたのは
家畜のそれと同じで高品質を保つため…。

その場から逃げ出した二人は恐怖にかられながら、
自分たちの状況を考える。このままでは出荷され、
コニーのようにきょうだいも自分も殺されてしまう。
もう、夢見る少女じゃいられない。

エマ、ノーマンはレイに相談し、善後策を練る。
きょうだい全員で逃げたいと言うエマだったが、
幼少の者は足手まといだから少数精鋭で逃げようと
現実的路線を譲らないレイ。情に流され、
まともに歩けない幼児まで連れて行けば、
最悪全滅ということもあり得る。

かりそめの楽園から仮に逃亡できても、
それからのことも考慮しなければ。
敵の手を逃れ、安住の地や食料を確保する算段があるのか。
ノーマンは二人をなだめながら、どちらの意見も頷けるし
尊重したいものだと考えていた。そしてママに
自分たちの考え、秘密の発覚を絶対に覚られてはいけない。
バレたら即出荷され、悲劇は繰り返されるだろう。
P2017_0907_212805.JPG


信頼していた育ての親、聖母のようなママは魔女だった。
戦々恐々としながら、計画を練っていた三人だったが、
油断していたらママの補佐クローネが登場。
ママは補佐役として彼女を呼んだが、反逆精神旺盛な
クローネは造反を企てる。エマたちにとりいり、
ママを追い落とし自分がママになろうと画策。
油断のならない厄介で邪魔な存在なのか、
情報を得るための便利な存在なのか、その両方か?

エマたちはママへの内通者がこどもたちの中にいるという
疑心暗鬼にかられる。ワナをしかけたことで内通者発覚。
叫ぶエマ。でもちゃんと物語を盛り上げる伏線だ。
着実に逃走計画を固めていく三人だったがアクシデントが。
三者三様の焦燥と感情をあふれさせる。
絶望感に苛まれるが、牙を研ぐ反骨精神を忘れたりしない。
怒涛の展開、提示される謎や秘密、圧巻の頭脳戦と
魅せる演出のオンパレード。
何よりも極上のミステリー小説を読んでいるような
会話のセンス、セリフの巧みさに脱帽。
被害者が加害者にまわり、負の連鎖が続く
地獄のような世界からの脱却。

そして、タイトルが示す「約束」とは?
逃げた先に待ち構えるのは「鬼の世界」?。
安住の地にたどり着けるのは果たして?
「狩り」を愉しむ鬼に対抗するエマたちに
勝機はあるのか?レウウィスとの直接対決の行方は?

ミネルヴァ氏、鬼の神様、その貴族たちなどの謎の存在、
そして彼らの過去。理想を追い求めるエマの前に横たわる
過酷な現実とは?アルティメットブレインバトル漫画。

P2017_0907_212525.JPG

『約ネバ』 ジャンプコミックス 17巻〜 
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:10| Comment(0) | ☆☆☆☆☆のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:




すべての道は漫画道に通じる
漫画を読みながら
戦争はできない
漫画& 漫画と共に生きる
わが漫画ライフに
いっぺんの悔いなし!
などを信条とするブログ

2943871(にくしみはない)
11028349(ひとにやさしく)

【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
 やっています。
 漫画以外だと
 生駒里奈さんと
 松井秀喜さんと
 ずんの飯尾さん、
 本と犬と猫、
 音楽鑑賞とカラオケ、
  昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、シャワー、
 旅行、本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想してません。そして
 実際なりませんでした。
 スピッツとミスチル
 バンプと米津玄師と
 back number
 をよく聴いています。
 最近だと近眼の白目
 (King Gnuの白日)
 に鳥肌たちました。