2016年10月29日

漫画『ハイスコアガール』押切蓮介

90年代。ファミコン社会現象に続き、PCエンジン、
スーファミ、ゲームボーイ、プレステ、セガサターン…
に代表される数々の家庭用ゲーム機が次々と出現。
そしてゲームセンターの筐体がゲーム市場を活気づかせ
特に『ストU』に代表される格闘ゲームが大ブームに。
1991年。小学校ではさえない日々を送る矢口春雄だったが、
ゲームだけは誰にも負けない自信があった。
格闘ゲームで連勝記録を続け鼻高々な彼には
「キモイ」という称賛の心の声がつぶやかれる。
  
「豪指のハルオ」と名乗るそんな彼の鼻をへし折ったのは
同級生の令嬢大野晶だった。
無口で、何でもこなし尊敬を集める完璧超人。
猫のように感情を現さないのに人気者。
そう、まるで自分と正反対の存在。
よりによって何でこいつはオレ唯一が輝けるゲーセンにいる…。
しかもこのお嬢様、メチャクチャゲームがうまい。
コマンド入力が超難しいので敬遠される不人気キャラ
ザンギエフを使い、相手を吸いまくる(投げまくる)。
心のオアシスをけがされた気分の春雄はなんとか勝とうと
反則技「待ちガイル」「防御から投げ」の「ハメ技」を連発。
ギャラリーからも非難があがるズル戦法に晶さん怒り心頭。
春雄はリアルファイトでボッコボコにされKO(ノックアウト)。
お嬢様は武道もたしなんでいた。
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【俺より強い奴に会いに行く…までもなかった。
 すごく身近にいた。】

ほとんど感情を現さない晶だったが、春雄の挑発に対しては
怒りがおさまらず、ドッジボールではわざと顔面にぶつける。
ゲームセンターで協力プレーを願い出ても、
ハイスコアの邪魔になる春雄に対して晶の暴力がとまらない。
詫びても、基本的にしゃべらないので何を考えているか不明。
ゲームに興じているときと好物を食べているときだけはご機嫌。
ヤニ臭いゲーセンに美少女いたら本当に掃き溜めに鶴だよね。
あそこは作者が言うようにスケベで癇癪持ちの男子が集まる
アホの巣窟だからなぁ。
UFキャッチャーやったなぁ…。アームが超弱くてつかんだ
ぬいぐるみが落っこちるんだよなぁ。 

駄菓子屋ゲーセン、都市伝説のオール10円ゲーセンに出かけるなど
いつしか戦友として晶に接していた春雄に突然の別れが訪れた。
空港に見送りにきた春雄に対して晶がとった驚きの行動。
ギャグマンガかと思っていたらまさかのラブコメ。まさかの感動。
この作品、ブーム直撃世代にはすごく刺さる。
おこづかいからなけなしのお金はたいてゲームセンターに
行った人には、たまらないんじゃないかな。
ガイルやザンギエフを筆頭にゲームキャラたちが登場し、
主人公たちにエールをおくる。そのセリフ(心の声)は
どうやら二人の耳には届いているようだ。本当につらいとき
彼らを支えるのはゲーム(バーチャル)の世界か。それとも?
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中学生になった春雄は相も変わらずゲームに没頭し、
担任からお叱りを受ける。いつか晶は日本に帰ってくる。
そのときにゲームで負けるわけにはいかないと考えていた。
自分の家にゲームの筐体を置くことになった日高小春は
それが縁で春雄と親しくなる。ゲームに熱中するあまり
バカみたいな言動の春雄をうとましく思っていた日高。
だが春雄のひたむきな姿に魅かれ、強く意識するようになる。
そしていよいよ晶が帰国し、同じ中学に。
 
再戦を熱望する春雄は、ゲームセンターで連勝記録を伸ばす
晶を発見し、対戦を試みるが、晶は姿を消してしまう。
もうあの頃みたいに一緒にゲームに熱中できないのか?
親友のいい奴宮尾からは大野さんにひとめぼれしたと告げられる。
修学旅行先の自由時間にゲーム大会に出場することにした
春雄が見たのは、晶の姿だった。

将来をまじめに考えるようになった春雄は、晶と同じ
上蘭(上ランク)高校を志望校に据え、ゲームを封印。
母、宮尾、日高、担任と周囲を驚かせる頑張りを見せる。
忙しい英才教育の息抜きにゲーセンに訪れる晶だったが
春雄の姿を見ることはなかった。
日高は春雄の影響でゲームが上達。女子校に合格。

高校生になった春雄は、家庭ゲームばかりやっていたこともあり、
日高に負けてしまう始末。
やはりゲームセンターで実戦をつまなくてはと反省。
遊ぶお金と家族の生活費を稼ごうとアルバイトをしながら腕を磨く。
晶の姉の真は教育係の厳しすぎる締め付けに反発、ドロップアウト
していたので、晶への指導はどんどん過酷になっていく。
晶には既にいいなずけもいるらしい。
晶は日高から恋の宣戦布告?をされたことにも悩み、家出。
そのことを知った春雄は晶の姿を探しに飛び出した。
  
春雄と晶の強い絆を知ってしまった日高は
ゲームに勝つことで春雄を振り向かせたいとゲーセンで猛特訓。
ゲーマーからも一目置かれる存在に成長。
大野真はあの妹を夢中にさせる春雄なる男がどんな奴か
同時に興味津々のエロいゲームの調査のために
ゲーセンにやってきた。女心を知るのもゲームだ。 
真から渡された「ときメモ」をする春雄だったが
なぜか後ろから女性陣に見られ全然ときめけない。
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軟化した教育係萌美から晶への最高のプレゼントが渡され…。

日高はドS化(7巻表紙の目が怖い)し、
感情とは裏腹に春雄をいじめてしまう。
すねた春雄は溝の口を飛び出し渋谷に繰り出す。
渋谷で自分の居場所を手に入れた春雄だったが
思わぬ抗争に巻き込まれることに。
晶の姉真はすっかりアホキャラと化す。
ストUのように進展しない春雄と晶の関係に
一石を投じるのはやはり日高だった。

「ストU」「桃太郎活劇」「ボンバーマン」「パラソルスター」
「ぷよぷよ」…。プレイしたことある名作ゲームの話が出るたび、
オラワクワクしてきたぞ。
ヒロイン全然しゃべっていないのに心情がわかるのがすごい。
主要キャラクターが一途でまっすぐで、応援したくなる。
個人的にはツボすぎるラブコメ要素を含んだゲーム漫画。
ゲーム少年となるに至った経緯は『ピコピコ少年』に
描かれているが、これもあわせて読みたい作品。

版権の問題で回収された旧版と
新版(continue 5巻まで)がある。本筋は同じ。
新版は加筆・修正箇所があり、書きおろしも収録。
ビッグガンガンコミックススーパー 7巻〜 ☆☆☆☆★

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posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:45| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆★のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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 自称「漫画のソムリエ」
 主な生息地 埼玉
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
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