2016年03月19日

漫画『黒博物館ゴーストアンドレディ』藤田和日郎

ナイチンゲールと彼女に取り憑いた亡霊グレイが
いつしか固い絆で結ばれ悪や病気と対決する姿を描いた
感動的な冒険活劇。完成度は高いの一言に尽きる。

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王立劇場に現れる灰色の服の男(グレイ)は幽霊であるが
彼が現れると公演は大ヒットすると言われている。
そんなグレイがイギリスの黒博物館の学芸員の前に現れ
語るのは、クリミアの天使の活躍と戦いの日々だった。

貴族として恵まれた環境に育ちながら、看護の道をめざす
ナイチンゲールことフローは絶望に陥っていた。
家族による大反対を受け悩んでいた。
両親の言葉は呪いのように彼女の心を蝕んでいた。
また当時の看護士は蔑まれ、衛生の観念も低く環境は劣悪。
貴族と結婚すれば働かず裕福な暮らしが保障されているのに
なぜ苦労ばかりのいばらの道を歩むのか。確かに疑問。

そんな彼女の前に現れたのは命を懸けた闘いに明け暮れた
元決闘士の亡霊グレイ。生涯裏切りに遭い続けた男。
シェイクスピアの観劇に目のないグレイはフローと出会う。
自分が絶望したとき取り殺してほしいと言われたグレイは
あえて過酷な道を選ぶフローに興味を抱き彼女を後押し。
劇の主役になるのは観るよりももっと楽しいはずだと
この風変わりな女を見届けることにした。

すぐに音をあげ、命を奪えると思っていたグレイだったが
フローは奮闘。クリミア戦争も勃発し、より危険な場所で
より悲惨な患者たちを目の当たりにするフロー。
だが彼女は献身的な言動を続けいつしかいっしょに働く者や
患者たちの心を動かし好転してはじめる。
彼女の英雄的行為を偽善と捉え苦々しく思う者がいた。
その男ホールの差し金により現れた美しいバロン。
実はバロンはグレイと因縁深い相手であり、かつて決闘士
として生涯無敗を誇った亡霊。
死んでなお殺しの快楽を貪る強力な悪霊だった。
フローを殺すのは自分とバロンに相対するグレイだったが…

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他者への献身に生涯を捧げた偉人ナイチンゲール。
最終的に彼女の最高の相棒になったバロンが戦争や恐怖、
悪に立ち向かっていく信念の戦いを見事に描いている。 
モーニングKC 上・下巻(全2巻)☆☆☆☆+
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤田和日郎『うしとら、からくり』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
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 そして実際なりません
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