2015年01月18日

漫画『のぼうの城』和田竜 花咲アキラ

1582年。豊臣秀吉の水攻めによって高松城陥落。
その鮮やかなまでの手腕を見た石田三成は
秀吉は天下を獲ると確信し、
自分もまたこんな戦がしたい!と熱望した。

そして8年後の1590年。
武士として初の関白となった秀吉に屈服せぬ勢力は
小田原北条家だけとなった。
3月1日小田原への出陣を決意した秀吉によって
三成ら諸大名は北条家の支城である館林城、
そして現在の埼玉県行田市にある武州忍城(おしじょう)
を攻略する命を受ける。総大将は三成。
2万と言われる軍勢を任された三成だったが
相手する館林は2千、忍城にいたっては千程度の軍勢。
圧倒的な軍事力の差もあり、その位置づけは
あくまで三成の武勇の名を轟かせるための秀吉の
心遣いであった。
館林はあっさり落城。
では忍城は?

優秀な家臣である丹波や、武勇を誇る柴崎らを有する
かの地には「のぼう」(でくのぼう)と呼ばれ
農民たちに侮られる城主のいとこにあたる成田長親と
いう男がいた。一見、うつけのでくのぼうに思える
この男だったが、幼少期から丹波はこの男に違和感を
覚えながら友として彼と接してきた。

評定(会議)が開かれ、様々な意見が出るが
城主成田氏長が出した答えは
大恩がある北条家のために闘うことだった。
しかしそれはあくまで北条への義理を貫くための建前。
最終的に大軍を目の前に仕方なく開城した形をとると
城主の息子御屋形様は秀吉に内通を知らせようとする。
この形をとれば、戦にならず領民たちに血は流れない。
家臣柴崎と口だけ番長酒巻らのいさかいによって
農民たちも戦をしないという事実を知ってしまう。
秘密を変に隠せばかえって人から人に伝わるものだ。
長親によってそのことに気付いた丹波はあえて
農民たちにそのことを知らせたことで動揺は収まった。

しかし、戦わずに開城することを是としない者がいた。
意地を通せば領民たちがみな死ぬ。
無念であっても受け入れねばならぬ。
数を頼りに押し寄せてきた三成が差し出した正家という
ぼんくらの無礼極まる言動に腹を据えかねる忍城面々。

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しかし、甲斐姫を秀吉に差し出せという発言によって
長親は戦うと宣言する。
乱心したのかと長親を殴りつける丹波だったが
正念場で長親の誇り高い信念を知った家臣たちは
心を一つにして戦の意志を固める。
農民たちにもそのことを知らせるが、言いだしたのが
長親だと知った彼らはなぜか笑い出し受け入れた。
元々、かの地の農民たちは坂東武者を持ち義侠心に
あふれる者たちである。
一見侮られているかのようだった長親は
その飾らぬ言動威張らぬ人柄により慕われていた。

一枚岩となった彼らによって、
のぼうの城は秀吉にとっても難攻不落の城と化す。
そして、のぼうが心に忍んだ想いとは…。
窮地に遭ったときこそ、真価は問われる。
のぼうらが見せる生き様が感動を誘う必見の一冊。

ビッグコミックスペシャル 全1巻 ☆☆☆★
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:44| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆★のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。