2013年02月27日

漫画『蟲師』漆原友紀

動物でも植物でもない原始的な存在のモノ「蟲」(≒妖怪)
によって起こる怪異と向き合い、それを糧として生きる
蟲師ギンコの活躍を描いたファンタジー妖怪漫画。
時代設定は江戸(ないしは鎖国を続けられた明治)時代。
地に根をおろし、たとえ怪異があっても
おいそれと土地を捨てられない立場にいる土着民と、
蟲を引き寄せてしまう体質のため一つの土地に留まれない
旅人的性質を持つギンコを対照的に描いている。
物語は1話完結の40、50ページほどの作品で構成され
(最終話は前・後編で、人がヌシになりギンコと出会う話)
ノスタルジック(郷愁的)で、読む者に既視感を与えるような
感傷的な作品が多い。

物語において善的存在であるギンコにより解決できないことも多く、
どんな悲しい結末であってもそれも世の理であり
折り合いをつけなければならないというシビアな結末を迎えることも。
蟲に寄生されたことで河童、雨女、千里眼、予知能力…
といった超人的な力を身につけた者の数奇な運命も語られる。

〜あらすじ〜

ギンコは蟲師である。蟲師とは一般人には見えない不思議な存在
蟲を見られる者であり、動植物、人、はたまた自然現象にまで
影響を及ぼす蟲の知識を有し、それに対処する術を持っている。
必ずしも妖怪退治よろしく蟲を殺す存在ではなく、
蟲に憑かれた人や周囲の所事情などを考慮したうえで
解決にあたる。不思議な力を持つ蟲を回収し、
利用するという側面もあり、生活の足しにしていることもある。

ときにギンコは土着民になってほしいと乞われることもあるが
その場所に留まると蟲を引き寄せ周囲の者に余計な被害を及ぼす
恐れもあるので、旅立つ宿命である。
そして、蟲に苦しむ者のいる新しい場所めざして旅を続ける。

旅先にはその土地の生態系を守っているヌシ(主)がおり
ギンコと出会うことも。
亀などの動物がヌシであるが、最終話はカヤという人がヌシとなり
それを阻止(解除)するためにギンコが異業の世界「蟲の宴」に参加。
カヤをヌシから解放してほしいと呼び掛ける。

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不思議な魅力を持った作品であり、作者の独特な感性が新鮮である。
講談社アフタヌーンKC 全10巻 ☆☆☆☆★
『特別編 日蝕む翳』(日食)編もおすすめ!
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:06| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆★のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この作品は、少し読んだことがあります
しかし、アフタヌーンは、
大胆な作品を掲載しますね

>山口さま

こういう作品が成り立つこと自体
漫画というジャンルが確立されている
日本ならではという気がします。
Posted by 山口ジジイ at 2013年03月03日 01:27
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。