2011年11月29日

漫画『おれは直角』小山ゆう

江戸時代の萩藩の名門校明倫館に入学した
火の玉小僧石垣直角は曲がったことと嘘をつくことが
大嫌いな暴れん坊である。
まっすぐな男に育ってほしいという父の願いを
真に受けて、得意な武の道を追求した男は
直角斬りという秘剣を開眼しほぼ無敵の強さを誇る。
下級武士の子供でありながら、明倫館に入った直角は
町人や職人と分け隔てなく話し、
偏見を持たない性格に成長した。

しかし、藩や明倫館、そして人々には依然大きな因習や
覆しようのないものが蔓延っていた。
「文武両道」を掲げ、名門と名高い明倫館であったが
実質的には文(学問)ばかりに重点を置いた学校である。
学問においてはからっきしの直角であるが、
ご城代家老立花薫に見込まれたことで明倫館に入学。
また、武を疎かにした代償として一部の乱暴者たちに
よって、多くの生徒は恐怖的支配をされていた。
直角は明倫館で出会った骨のある男郷に見込まれ、
明倫館を支配する暗い空気を払拭し、
生徒たちを守るために立ち上がる。
その一途でひたむきな姿はいつしか明倫館にとどまらず
多くの人々の心を捉えていく。

大進撃を続ける直角の前に現れたのは
萩藩において最も権力を握る北条氏の溺愛する
孫の照正だった。3年間長崎に勉強に行っていた
次期ご城代家老と目される照正だったが、
残念ながら洋風かぶれのばか者であった。
幼くして両親を亡くし、親の愛を知らない照正は
誰にも心を開かず、誰も知らない洋風のものを好み
人々の歓心を得、優越感に浸るという悲しい男。
人気者であり友達に囲まれている直角を妬み、
彼を出し抜こうと試みるが、道化そのものである。
だが郷の働き掛けもあり、
まっすぐで裏表のない直角だけには心を開き、
唯一友情を感じるようになる。


北条氏の希望で若くしてご城代家老に指名された
照正だったが、家臣たちばかりか祖父までもが
自分のことをばかと知りながら、本心を隠し
彼に接していたことを耳に入れ自信を喪失。
疑心暗鬼から直角の友情すら信じられなくなって
しまった照正は以前にもまして奇妙な行動に
明け暮れるようになってしまう。
照正は立派な家老になるに違いないと固く信じる
直角は藩の人々の批判を浴びながらも東奔西走する。


【直角斬り 独自の方法で生み出した自己流の剣
      動きが独特であり、ほぼかわせない】

〜背景〜

直角を見込んだ人物立花薫ことご城代の話。
かつて、直角に負けず劣らず無茶ばかりしていた立花は
若いときにまだ愚かだった北条氏に唯一意見を吐き
しかもぶん殴ってしまった骨のある家臣である。
直角同様に決して高い身分の武士でなかったが、
その熱血漢ぶりが北条氏の心を動かし
名城代に育て上げたのである。
立花には子供がなく、本質的にお茶目で人を驚かす
ことが大好きな童心を持ち続けるこの大人物は
直角を自分のこどものように感じ、目をかけ、
大きな期待を寄せているのである。
ギャグ漫画だと思っていたけど、随所に感動的な
話が織り込まれているすごくよい漫画。
直角のひたむきさ、照正の勇気、
ご城代の辛抱強さ、
そして身分を超えた人々の持つ信頼の強さや
あたたかさが実に清々しい。

小学館少年サンデーコミックス ☆☆☆☆+
 
全14巻 文庫版全8巻

posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:20| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック



すべての道は漫画道に通じる
漫画を読みながら
戦争はできない
漫画& 漫画と共に生きる
わが漫画ライフに
いっぺんの悔いなし!

【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
 やっています。
 漫画以外だと
 生駒里奈さんと
 松井秀喜さんと
 ずんの飯尾さん、
 本と犬と猫、
 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。