2011年06月25日

漫画『ドロヘドロ』林田球

体内に男の顔がある危険なトカゲ男カイマン。
美人で拳法の達人、謎多き餃子娘ニカイドウ。
敵対する魔法使い「煙ファミリー」の
心、能井らとの対決を描いた傑作ファンタジー。
読み進めるたびに明かされていく謎、
そして新たに生まれる謎。
広がっていく混沌とした世界観と極上ストーリー。
グロテスクな描写の連続でありながら
ツボを見事に押さえた抜群のギャグセンスに脱帽。
恋の駆け引きとかがないイノセンスな恋愛事情や
突き放すかのようなクールなセリフの中に含まれる
不思議なやさしさ・あたたかさに震撼する。

全23巻 小学館ビッグコミックス ☆☆☆☆☆



【世界】

ホール…カイマンやニカイドウ、主に人間などが
生活している空間。
イメージは治安の悪いダウンタウン。
ニカイドウが経営するギョウザの店
ハングリーバグ(空腹虫)や、
魔法被害者病棟などがある。
また魔法界からたびたび魔法使いが来襲し
被害に遭っている。
カイマンのように反撃に出る者は少なく、
基本的に魔法使いを見たら逃げるのが常である。
そこには10年前に起こった
凄惨な事件が関連している。
魔法使いが出す煙の影響で雨が降る。

魔法界…心、能井、恵比寿、藤田などの
煙ファミリー(この世界のマフィア)や
敵対組織である十字目、
主に魔法使いや悪魔が生活している空間。
この世界での煙は絶対的な権力者であり、
一流の魔法使いなのでチダルマを筆頭に
悪魔との交流も深い。
また命を奪う死神に遭遇することもある。
魔法使いたちは「ドア」(≒どこでもドア)
によりホールを行き来し、自分たちの
魔法の練習台のために人間を襲うのである。

地獄……亡者たちがうごめく世界。
この世界では 悪魔>魔法使い>人間
という図式がほぼ成り立つのだが、
特に地獄における悪魔は完全なる支配者。
悪魔の仕事は亡者に罰を与えること。
また悪魔は性格的にいたずらを好む。    
煙は地獄から生還を果たしている。        



〜あらすじ〜

魔法使いによってカイマントカゲそっくりの
顔になってしまった記憶喪失の大男カイマン。
倒れていたカイマンを助けたニカイドウと共に、
来襲する魔法使いを次々とやっつけていく。
カイマンの口の中には謎の男の顔があり
魔法使いに噛みつくことで、自分に魔法をかけた
相手かどうかがわかる。魔法を解くには
魔法使いに魔法を解除させるか殺すしかない。
カイマンは自分の本当の顔を取り戻すために
闘っているのだが、実際の所その心のウェイトは
「ギョーザを食べたい」よりも若干少ない。

ナイフの名手であるカイマンと
拳法の達人ニカイドウコンビの魔法使いへの抵抗は
魔法界のドンである煙の耳にも入り
心と能井という強力な刺客が放たれる。
そして壮絶な戦いに発展していく。
唯一無二の親友と認めるカイマンとニカイドウで
あったが、実はニカイドウには
カイマンにも秘密にしていることがあった。
お互いの身を案じながら、それ故に戦いに
巻き込みたくない二人。
だが片方がピンチに陥れば、
当たり前のように片方が助けに駆けつける。
心と能井にも共通するこの関係性や信頼が
物語の肝であり、欠くことのできない要素である。

混沌とした世界の中で笑いを振りまく恵比寿や煙。
十字目の連中やイタズラ好きの悪魔たち。
この絶妙なバランスとハイセンスな描写や
色彩感覚を見るたびに唸らされる。



〜主な登場人物〜

【カイマン】

トカゲ男。ギョーザが大好きな乱暴者。
今日も悪夢だ、寝覚めが悪い。
空腹虫に入り浸りギョーザをタダで喰らう。
その正体については徐々に語られていく。
またカイマンが受けた魔法の影響で
魔法が効かないという特性がある。
しかし隣にニカイドウがいて
ギョーザが食べたい&元の顔に戻りたい
がその心の大半を占めるのは
男としてどうなんだろうか?

【ニカイドウ】(二階堂)

美女。切符がよく、はっきりした性格。
非常にモテる。雨の日は憂鬱。
大切な人を失った過去がある。
大葉ギョーザをはじめ料理が得意。
空腹虫では奇怪な現象が起こるがその理由は
作中のおまけページで語られる。
カイマンとはマブダチ。

【煙】

自己顕示欲の塊であり自己愛の強いナルシスト。
圧倒的な魔力(煙)を排出し、対象者や物を
キノコに変えてしまう恐ろしい能力者。
6年前に自分に恐怖を与えた男の生存を
確かめるために「時を操る」魔法使いの
パートナーを懸命に探している。
キノコしか食べない(食べられない?)
悪魔からも一目置かれる最強の魔法使い。
 
【心】

その大人しそうな容貌とは裏腹に
非常に好戦的な性格であり非情な殺し屋。
魔法使いの母と人間の父の混血である。
やられたら絶対にやり返す。
身体をバラバラにする魔法を持つ。



【能井】

今も昔も麗しい美女。アマゾネス。
心に心を打たれ煙ファミリーの一員になる。
掃除屋(暗殺者)として心のパートナーとして
その剛腕を振るう。
バラバラになった身体を修復する魔法を持つ。
こんな上司いたらいいよね。
ローマ字表記した際にNO1(NOI)に見える。

【恵比寿】

見た目のかわいさとは裏腹に毒舌で腹黒い。
実は良家の箱入り娘だが、
その反動なのか不良娘になってしまった。
記憶喪失のため煙ファミリーに世話になるが
その態度は高飛車で煙をイラつかせる。
変な歌を作ったり、独特のファッションを
キメたり、あやしげな言動をとることが多い。 
基本的に藤田に対してはツンデレ。



【藤田】

必ずしも魔法使いが魔法を使えたり、
価値のある魔法が使えるわけではない。
基本的に劣等生なのでまともに魔法を使えず、
第一話でいきなりパートナーの松村を
カイマンたちに倒されてしまった。
臆病者の役立たずで泣き虫。
松村話も耳にタコができるほど繰り返す。
そんなダメな奴だったが後半になってくると
結構活躍してくる成長型のキャラである。

【鳥太】

自称煙のパートナー。
幹部であるが、煙への過度の愛情が鬱陶しい
らしく、煙からは敬遠されている。
不気味な愛のポエムを煙に毎日贈っている。
しかし意外にも信頼されている面もある。
推理力が高い。

【カスカベ博士】

実年齢は60代だが、魔法によって少年のような
姿をしている。魔法使いに関する実験に余念がなく
その病的なまでの情熱がときに怖い。
魔法使い被害者を治療する唯一の存在。
そのためか魔法使いの知り合いがいたり
物語のキーパーソンと出会っていたりする。

【毒蛾】

十字目の現リーダー。
十字目は、魔法を使えない者たちに希望を与えた
「ボス」を慕う者たちで構成された組織。
中でもボスのためならどんな残酷なことでも
実行する結束力・忠心力の高い5人の幹部の内の
一人である。普段は生活苦によって物々交換
レベルの経済感念しか持たない貧乏ネタ満載の
集団であるが、その戦闘能力は非常に高い。 
毒蛾たち5人はボスの帰還を信じ生活している。
毒蛾は自らが発する毒によって他のメンバーが
被害を受けてはいけないと食事は床で食べ
風呂も一番最後に入るのである。
廃品回収車が通る際には機敏な行動で皆を導く。 
鈍いので女性の告白に気付かない。



【アス】

非常に難関と呼ばれる悪魔試験に合格し
悪魔となった元魔法使い。
ある者との親交が深く、
その者の身を案じている。

【チダルマ】

最強の悪魔にして創造主的存在。
よって孤独。

posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:56| Comment(1) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆☆のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんな内容だったんですね!
実弟がオヌヌメしていたので
気になってました。

>ドロヘドロは大当たりでした。
 なんかケチのつけようがない
 レベルの作品です。
Posted by ペコ at 2011年07月06日 22:27
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
 やっています。
 漫画以外だと
 生駒里奈さんと
 松井秀喜さんと
 ずんの飯尾さん、
 本と犬と猫、
 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。