2011年04月24日

漫画『道士郎でござる』西森博之

12年ぶりに日本に帰国した桐柳道士郎は
21世紀を生きる真の侍、武士である。
豪放磊落、卑怯者や曲がったこと、嘘は大嫌い。
そして礼儀正しく、義理堅く親切。

彼に出会うことで小市民として当たり前のように
常識というレールの上を歩いてきた小坂健助は
彼に振り回されながらも多くの「仲間」と共に
成長を遂げ、いつしか「殿」として仲間から
信頼を集めるように。
周囲が常識がない奴らばかりの為、計略及び
ツッコミ役のほとんどは健助の仕事である。



自分の子供を本物の日本人(侍)にする。
という夢を持ったアホな父のせいで
なぜかアメリカに連れ去られた。
ター族の人々と暮らした道士郎は
屈強な青年へと成長を遂げた。
そして12年の歳月が流れた。

母はやっと道士郎の消息を知り、
道士郎は日本に帰国。
しかし、武士として育てられた道士郎は
ちょんまげに着物といういでたち。
しゃべり方までござる口調な心も身体もお侍。
どうやら日本に対し勘違いを抱いているようだ。
街を散歩していた道士郎は、
小市民小坂健助に出会い、不良の大男前田に
因縁をつけられ対決。あっさり前田をのした。

高校にやってきた道士郎は、小坂健助、
前田と同じクラスであった。
何の屈託なく接する道士郎だが、本音では
健助はこの危険そうな男と関わりたくない。
前田は某高校の一年の間では最強の不良。
道士郎に負けたことを認めたくない前田は
再び道士郎に勝負を挑む。
堂々とこれを迎えた道士郎は、
あっさり前田を吹っ飛ばしてしまう。

前田は健助の助言もあり、道士郎に歩み寄るが
決闘の際に名を偽った前田に対して道士郎は
怒りの形相。その姿はまさに般若だった。
卑怯者が大嫌いな道士郎は前田をカスと言い放ち
毛嫌いするが、前田は捨て身の方法で道士郎と和解。

また健助は、クラスで孤立する白瀬エリカを助け、
結果的に道士郎、前田(仮名)とも仲間に。
人生のレールをいっしょに踏み外した…
かに思えたが、高い潜在能力で危険な局面を
凌いでいく。

不良、街のギャング、ヤクザ…と危険度の高い
相手と対立しながら、ときに正義のために
ボランティア活動に勤しんだり、人助けを行う。
基本的に、超人的な強さを誇る道士郎や
相当強い前田(仮名)が敵対する者を倒すが
ときに健助自身も我が身を張って奮闘。
弱いはずの奴が強い者に向かい倒していく
(ジャイアントキリング)
という図式を健助が見事に果たす姿が痛快。

いつしか健助は別に望んでいないのに
多くの者から頼りとされ、なぜか殿と呼ばれ、
智将として判断を迫られるようになる。

道士郎は自らを「戦うことしか能がない」
と語るが、実質的には導師に近い気がする。
腹黒く、物事を無難な方向に収束させよう
と試みる健助だが、いざこざは最終的に
大筋で道士郎が望んでいる結末になっている。
安易に人は道を踏み外したり、
楽な方に流れてしまうものだが道士郎によって
いつの間にか道を修正されてしまう。
しかしそれはあくまで健助自身の力なのだ。



ギャグマンガとしてのポテンシャルも高い。
特に管理人的には37話、38話(4巻)が
特におもしろいと思う。
社会における労働者への搾取に対し、
自分たちが今カツアゲを行うのも当然の権利!
と言い張る不良のムチャクチャな理論構成や
道義が通じないその不良を諭すために書かれた
絵本【ポックル星人】のくだりがすごく笑える。
ポックル星人は
日本語が少々怪しい程度の者が読んでもわかる!
をコンセプトに描かれた
法律が存在しないある星の物語。






小学館少年サンデーコミックス 全8巻
「I'm Doshiro.」 ☆☆☆☆+
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:29| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆のおすすめマンガ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
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 埼玉出身、趣味でブログを
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
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