2010年11月08日

漫画『ドアのむこう』楳図かずお

日常と非日常。その微妙なパワーバランスを
描かせたらやはり楳図先生はすごい。
男と女の情念や狂気、嫉妬や愛情が入り混じった
この短編集では、一度道を間違えると一気に
日常の歯車からはみ出し非日常へと突き進む。
今回は短編集の中から数点をご紹介。

【傷】

あるありふれた田舎町でまじめにまともに成長し
同級生の森田愛子に恋をした正男。
2歳年上の下衆野郎良太郎は愛子を手籠にしようと
した所を正男に助けられた。
その際に胸に大きな一生残る傷を負わされた。
愛子は親の借金の関係で土地を離れられない。
正男は愛子を連れ出そうと約束するのだが
落石事故が起こり愛子の目の前で下敷きに……。

不思議なことに、
事故現場から正男は見つからなかった。
ある病院。
出自が原因で裏街道を歩いていたヤクザな男が
女性関係が問題で大ケガを負っていた。
男は不思議な夢を見ていた。
自分が正男というまじめでまともな男として生まれ
育ち、恋をし、落石事故に遭うというものだった。

あまりにも夢の印象が強かったので男は
まともな生き方をし、愛子を迎えに行くことを決意。
夢で見た少ない情報だけが頼りだ。

【ほくろ】

ぱっとしない冴えない男がいた。
妻や子供からもバカにされ、いてもいなくても
人々に大きな影響を与えない存在。
彼には大きなほくろがあった。
ある日彼は殺人現場に遭遇。
犯人に自分の顔が見られてしまい恐れ戦く男。
気の弱い男は警察にも行かず震える。
そして彼をつけ狙う男(犯人)の影におびえる。
男は顔を変えられないものかと考え、
ほくろに神経を集中させると別人のようなハンサム
な顔に変えられることに気付く。

ついに自分の家までつきとめられてしまったので
彼は出奔し、全く別の人間として生きていく。
ハンサムになり自信をつけた男は
今まで謳歌できなかった喜びを知るのだが…

ドアのむこう (小学館文庫―イアラ短編シリーズ)

ドアのむこう (小学館文庫―イアラ短編シリーズ)

  • 作者: 楳図 かずお
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2002/07
  • メディア: 文庫



posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 楳図かずお(うめずかずお) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
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