2010年08月26日

漫画『フルーツバスケット』高屋奈月

天然女子高生本田透は異性に触られると十二支に変身する
呪われた草摩家の人々と出会う。
彼らと寄り添い、彼らの痛みや悩みも受けいれ
偏見なく接する透に草摩の人々は心を開き救われていく。
その姿は人々の心を洗い流していく菩薩のようだ。

暗い未来しか描けず、宿命から呪縛されていた草摩の人々や
透の近しい人々が成長し自立していく姿は感動的だ。
思わず涙がこぼれる。
透の恋愛をメインに多くの恋愛模様も描かれている。
ジャンルはハートフルコメディー、学園モノ、
ラブコメ、感動系である。ギャグセンスも高い。

主要人物の大半が奇人変人である。
導入部や世界観が特殊なのでちょっととっつきにくいが
一度世界観を受け入れると一気に読ませる爆発力がある。
また育児放棄をはじめ、いたらない親や大人も多く登場し
深く考えさせられる。



幼少時に父を亡くし、近日最愛の母今日子を失った透は
祖父といっしょに暮らしていたが
息子夫婦と暮らすことになった祖父の都合で
テント暮らしをすることにした。
親友である長身ヤンキーうおちゃん、
電波を操る黒服のはなちゃんに話せば過剰に心配させ、
息子夫婦宅で暴れかねないので秘密だ。

テントで借り暮らしの透だったが敷地内は草摩家の私有地。
透の通う高校の王子様的存在な草摩由希の住む家だった。

諸事情で透は由希、作家の草摩紫呉といっしょに住むことに。
家事ができない二人は、料理・洗濯が得意な透を重宝し
利害が一致。透は、ひとりぼっちの淋しさを埋められた。
また、オレンジ色頭の喧嘩っ早い勝負好きの夾も現れる。
由希と夾は仲が悪く、ケンカが絶えない。
(仲が悪い理由は草摩家に由来している)
そんな二人に透はおろおろしたりドキドキしたりと忙しい。

草摩の家の人々は、古からの【約束】により心を支配され
束縛されていた。また十二支及び夾は、体が弱ったり、
異性に抱きつかれると鼠や牛などに変身する呪いにかかっていた。
幼少時のトラウマにより由希、夾など草摩家に縁の深い者たちは
永久の呪縛を受け生活に暗い影を落としていた。
だが心優しい透の登場によって救われていく。
次々と登場する草摩家の面々はいずれも美形。

しかし、特別な存在として生まれてきた彼らの多くは、
親の愛を受けられず、深く傷ついていた。
特に彼らに大きな影を落とすのは、
草摩家の当主であり彼らを束縛する絶対的な存在あきと。
ひとりぼっちになることに対する恐怖はすさまじく、
十二支の心をひとりじめしたがる。
その姿はこどもの持つむき出しの独占欲そのもの。
(実は透もまたよく似た淋しさを抱えていた)
人の持つドロドロとした部分、歪んだ愛情…
この辺りも見事に描いている。

後に明かされていく、夾の抱える秘密や
幼き日の帽子の思い出。そして不思議な縁。
変わっていくことと変わらないことの
どちらがいいのかや、人類普遍のテーマ
「愛」を問いかける名作である。

白泉社 花とゆめコミックス 全23巻
☆☆☆☆★ 愛称はフルバ
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:38| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆★のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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 幼少の頃から
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 最近だと近眼の白目
 (King Gnuの白日)
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