2010年05月28日

漫画『ガラスの仮面』美内すずえ

一見平凡で何の才能もなさそうな少女北島マヤが
名女優月影千草に演技の才能を見いだされ、
アメリカでは虐待なんじゃないの?と勘違い
されそうな愛情溢れる猛烈なレッスンを受け、
過酷な運命に苦悩しながら確実に一歩ずつ
女優の道を切り拓いていく。
十人並の少女が、舞台の上では全く違う人物を
演じるために「千の仮面」をかぶり、
役にのめり込み与えられた人物(に限らず)
「大変身」を遂げる姿に深い感動を覚える。
ここぞというときの舞台度胸や
観客の目を惹きつける役者としての魅力、
大好きな芝居のセリフや振りに関しては
1度観ただけで覚えられる「天才」である。
しかし、数式などはほとんど覚えられない。


【容赦なく厳しい月影先生のレッスン
マヤに対する想いの強さがわかる】

マヤは自分でも勉強も運動も家事もこなせない
劣等生という自覚があるが
こと演技に関しては自分で考え、
舞台の上では月影先生の期待以上の力を発揮。
その胸に秘められた情熱や才能には、
名女優であった月影先生が「おそろしい子」と
絶大なる賞賛を与え、自分の人生そのものである
「紅天女」の後継者として人生を懸けている。

紅天女…演劇史上不朽の名作と言われる舞台劇。
多くの女優が紅天女を演じたいと願う。
かつて月影千草が、紅天女こと梅の精を
演じ、脚本を書いた一蓮が月影千草に
のみ、演じることを許し他界している

「おそろしい(恐ろしい)子」というセリフは
「ジャガー」や「のだめ」(22巻126ページ)
にもパロディーとするほどメジャーな漫画用語。


【心臓が悪い月影先生は倒れたり、
雲隠れしてしまうことも多い】


【紅天女を演じるのは困難を極める】

ライバル役は天才子役ともてはやされながら
努力を怠らない「生まれついての主役」こと
姫川亜弓。才色兼備で圧倒的な美しさを持つ!
とされるが、絵で見る分にはマヤと同等の美しさ。
傍から観る分には恵まれた境遇のご令嬢だが、
徐々にその魅力について語られていく。
序盤ではマヤの才能を見出だし、
その後マヤを唯一のライバルと認める。
中盤では男そのものの益荒男っぷりを見せ、
終盤ではマヤにかつて自分の受けた「逆差別」や
「ある種の劣等感」を吐露する。
高潔なキャラとして描かれるが、
舞台や演技のためなら快適な生活を放棄し、
危ない橋も渡ってしまう役者バカである。





物語の序盤から登場し、マヤの最大の壁であり
ライバルであり続ける正統派ライバル。
ヤムチャとは格が違うのである。

特に幻の舞台劇である【紅天女】によって
運命の糸で結ばれた主要キャラクターたちが
その圧倒的な魅力・強力な引力によって
集結していく姿や、
類稀なる才能を持ちながら対照的な人生を歩んだ
マヤと亜弓の舞台対決などがおもしろい。

 

【奇跡の人】




舞台の上では輝きを放つマヤの変身っぷりが
すさまじく、キャラのバックに花が咲いたり、
主要キャラが白目を剥くなど見所満載。
個人的には、仕事の鬼のはずの速水のマヤコン
(北島マヤコンプレックス)ぶりが大好き。
速水はロリコンじゃないんです。
マヤコンなんです。マヤから見て11歳年上の
あしながおじさん
(個人的におじさんと言うのがかわいそうな
年齢だね。)で、正体を隠し影でマヤを支援。
普段は愛想笑いしかしない冷血漢で仕事の鬼。
母を亡くしてから人に対して愛情を抱いたことが
なく、鉄仮面を貫いている。
しかし、マヤに対してだけは心から笑い、
一人のファンとして彼女の才能を高く評価する。
頭の回転が速いのは、マヤを助けるときの
アドリブ力でわかる。
また、マヤとの「約束」を守る姿がかっこいい。

【ガラスの仮面的お約束「紫のバラの人」】

マヤピンチ
>速水現れる
>口げんか
>速水、マヤのピンチを救う
>マヤ助かる(鈍いのでピンチ直前に会っていた
速水と直後に手を差し伸べる紫のバラの人が
同一人物だと推理できない)
>バレない
>(読者)そ、そんな、ば、ばかな〜 





作中、マヤと速水、月影先生と一蓮は
魂の深い所で結ばれている感がある。
また、亜弓は自覚がないのかもしれないが
マヤに恋愛感情を抱いているように感じる。



マヤに思いを寄せる桜小路君は……
マヤが彼のことを「いいひと」と想うほど、
「いいひとどまり」のフラグが立っている。
そんな風に感じます。


【美系ゆえに男と間違われハンサム
(≒イケメン)と間違われる麗。
劇でも男役を与えられることが多い】

連載が始まったのが1976年。一度休載。
その後時を経て連載が再開。
果たして紅天女になるのは?
という物語的には佳境。
この物語よくも悪くも
1980年頃テイストの内容が魅力だと思います。
ヒロインのマヤと
社長令息にして紫のバラの人速水真澄が
11歳離れていようと現代ならそんなに違和感
ないですよ。作品自体は、今の少女漫画じゃ
考えられないピュアテイスト。
女子高生のマヤは田原俊彦の歌を
ハッとして、グッときてと歌っているんですが
「ハッとして!Good」そんな産まれる前に
流行った曲はわかりませんよ。
あと、中学時代にマヤが日曜に10時間バイト
して1500円しかもらえていないとかですね。
どっかの外国かしら?
的違和感があるんですよ。
くりびつてんぎょうしてしまいますね。
ネットで調べたら、たまたまそんな名前の
劇団があったりしてインド人もびっくりですわ。
公衆電話がプッシュ式のじゃなくて回す式の
だったりね。万国びっくりショーですよ。
でも、そんな古さが逆に新しくて好きなんですよ。
公衆電話激減しすぎて、どこにあるのかなぁ。

作品の匂いも雰囲気も作風も作者の年齢を考慮
しても、80年代テイストにしていればいいのに。
私や若人世代にしてみれば、
あの感じが逆に新鮮に映る気がするのですが。
2010年を現在にすると、
30年周期説にも合致しますし。

元々『ガラスの仮面』をリアルタイムで見ている
世代の方たちはどう感じているのでしょうか?
個人的には、ムリがあるなぁと。
最近の巻では携帯電話が出てきてます。
おいおい、ミッションリンクにもほどがあります。
これは本当にいただけない。
月影先生の生まれ育った時代背景にも、
速水養父の大躍進も時代背景あればこそ。
そのバックホーンを無視しちゃいけません。

こいつが一番舞台をなめてるんじゃないの的
演出家小野寺氏のもみあげにも
違和感を覚えてやみません。
あー彼のはいつの時代でもそうか。
この作品では、マヤの演技の才能を見抜いたり
評価しているキャラほど高い能力を有しているので
(月影先生、姫川亜弓、速水真澄、黒沼氏など)
その点からも小野寺氏は才能ないんでしょうね。
いろんな意味で場違いな人。

紅天女編までの内容は最高のひとことに尽きる。
49巻〜 白泉社 花とゆめコミックス

【マヤの仮面が崩壊?】

【ガラスの仮面 名言集総覧】
http://manga0001.seesaa.net/article/149921599.html
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 06:28| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆☆のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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