2010年04月10日

漫画『キテレツ大百科』藤子・F・不二雄

発明家の少年キテレツとロボットコロ助が
繰り広げる愉快痛快奇妙奇天烈なギャグマンガ。
基本的に「ドラえもん」と似たようなキャラと
ストーリー設定である。また、アニメ版と大きく
異なる点も多いが、それは後半で紹介する。

木手英一は、自他共に認める発明バカ。
暇があれば機械をいじり、三度の飯より発明好き。
その姿をからかわれ、同級生から「キテレツ」
というあだ名をつけられる。

彼はある日、大発明家だったご先祖奇天烈斎様の
「奇天烈大百科」の秘密に気付く。
何も書かれていない大百科を「神通鏡」(メガネ)
で見ると、奇天烈斎の発明が見える仕組みなのだ。
さっそくキテレツは、「からくり人間製法」を
見て「コロ助」を発明。自分で考え、感情も持ち
ご飯を食べ、涙も流す。ペットを欲しがり、
いたずらをしたり、時にキテレツに助言もする
なかなか優秀な助手ロボットを作りだした。



タイムマシンや時間をとめる「脱時機」、
4次元空間を切り裂く「冥府刀」など
強力な発明もあり、一歩間違えば使い手にも
危険が降りかかる発明も多い。

また、悪人を懲らしめる
「唐倶利武者」(からくり武者)や
「チョーチンおばけ捕物帖」の回で活躍した
「召し捕り人」。
これは生活圏内でやたら犯罪が発生する
漫画的「犯罪多発地域」なことも影響している。



「地獄」を体験できる発明や
動物の声が聞ける「聞き耳ずきん」、
大根とユリを混ぜた植物「リリー」、
金魚を進化させた「キンちゃん」など
擬人化発明などウィットに富んだ意欲作も多い。

ちなみに最終回では、母に「奇天烈大百科」を
捨てられるというショッキングな
シャーロック・ホームズ的な展開が起こる。

アニメとの相違点

原作は全4巻(発行元によって異なるが)。
作中でも「奇天烈大百科」は全4巻とされるが
原作は「ドラえもん」のように作品が多くない。
つまり、アニメ版のほとんどはオリジナルであり
高視聴率をキープしていたのはアニメ会社の手柄
である。特に大きく違うのはブタゴリラの性格。
主要キャラに恋人ができる(小学生なのに)と
いう進歩的・漸進的な展開であろう。
また、「トンガリ」も性格的・物語の立ち位置も
大きく異なるので、ついでに紹介する。
漫画は藤子F不二雄大全の全2巻を参考にする。



〜主要キャラ紹介〜

【キテレツ】

原作では意外に暴走キャラである。
月にロケットで飛びだしたり、
墨で塗りつぶされていた「冥府刀」を発明する
際などコロ助に止められるなど冒険心が強い性格。
アニメ版ほど同級生の女の子「みよちゃん」に
対する好意や熱意が見られない。
発明に熱中するあまりみよちゃんをないがしろに
することも多く、恋のライバルが現れる展開も
ないので淡泊なのかもしれない。

ドラえもんでいう所の「のび太」の立ち位置だが
「出来杉」君を加味したような積極性や
理科に特化した知識や発明に対する熱い情熱を
持つなど明らかにのび太よりも優秀。
壊れた自動車や掃除機を治したりと実用的な能力
が高く、顕微鏡位なら作れるだろうと親に言われる
ほど物作りの能力が高い。

研究に明け暮れるあまり運動は苦手。
探究心の塊であり、発明家としての高い才能は
先祖であるキテレツ斎の隔世遺伝と思われる。
両親は、いたって普通の性格なので。
徹夜してでも発明を続ける姿勢などは、
ものつくり大国日本の鑑であり、
将来は日本を代表する発明家になっていても
おかしくない人財である。(アニメ版より)

【コロ助】

ドジな一面も持つが、探し物が得意であり、
動物がいじめられるの許さない
心やさしいロボットである。
幼児から小学生低学年程度の精神構造であり
性格的にはキテレツに似た温和な小市民。

キテレツからはドジな助手扱いされているが
ときに的を射た発言をしてキテレツを助ける。
感情の起伏の激しい性格であり、暑いのが苦手。
汗もかくし、飯も食い、涙も流す完成度の高さ。
(いよいよドラえもんだ)

ブタゴリラたちにいわれのない迫害を受ける
ことも多く、ドラえもんを例にとると
キテレツよりもよりのび太に近い立ち位置。
いじめられて悔しい。キテレツどうにかして
ほしいナリ〜。というパターンも多い。
語尾に「ナリ」がつくことが多い。
疑問形で「アルカ」とついたこともある。

またアニメ版の一人称は侍っぽく「我が輩」
だが、「ぼく」と言っていたりまちまちだ。
アニメ版では主役。原作では助手役。
目の焦点が合っていない所やゴムまりの手などの
造形がすばらしい。
ちなみにあのゴム人間の様に腕が伸び縮みする。

「似るナリ。焼くナリ。コロ助ナリ」
は、某お笑い芸人が好んで言っていたなぁ。

【みよちゃん】

あんまりキャラ立ちしていないヒロイン。
ほぼしずちゃん(しずかちゃん)。
特にとりたてて言うほどの活躍もなく、
可もなく不可もなくという感じ。
バイオリンが下手だけど好きなどモロしずちゃん。
焼き芋が好きなのもかぶっている。
キテレツのことは嫌いじゃないみたい。
ちょっと気になるアイツ的存在かな。
原作で読んだ感じでは。
アニメ版ではキテレツの恋人的立ち位置。
異性と仲が良いシーンを見ると結構キテレツは
本気でへこんでいたなぁ。

【ブタゴリラ】

アニメ版の愛される迷言・迷台詞製造マン的要素
は皆無。八百屋の稼業の手伝いをするという
親孝行的一面もなく遊び呆けている。
(そもそも、ブタゴリラの両親について詳しく
描かれない)
アニメではコロ助を「ネギ坊主」と呼ぶキャラ立ち
している父も人情味溢れる母も登場しない。

原作でのその性格は理不尽な乱暴者。
性質が悪いことに本人は男らしい立派な性格と
勘違いしているが、同級生の評価は最悪である。
同じようにブタゴリラとつるむトンガリたちも
同調しないと暴力を奮われるという恐怖政治に
よって表面上仲良くしているだけ。
年端もいかないこどもからおかしを取り上げたり
恐喝に及んだり、キテレツの発明品を奪ったり・
悪用したりとやりたい放題。
元アメリカ大統領のブッシュを彷彿とさせる
傍若無人ぶりで、圧倒的嫌われ者の地位を確立。
【話せばわかる】の発想はなく【殴ればわかる】
的思考の持ち主。『ドラえもん』のジャイアン的
立ち位置なのだが、ジャイアンのようにときおり
見せるやさしさなどが全然ない暴君。
アニメ版のように明るい両親がいて、
家の手伝いをしていれば、
こんな悪い奴になるはずがないな……と思うよ。

アニメ版では「ブタゴリラ」は愛称に聞こえるが
(本来、「ブタ」も「ゴリラ」も蔑称だろう。
ブタもゴリラも人間よりはある意味で優れて
いるが)、原作では圧倒的に悪口である。
アニメ版では愛すべき人気者であり、恋人もいる
ガキ大将ブタゴリラであるが、原作では
だかつのごとく嫌われ者スターダムの地位を確立。
アニメ版では「学問のすずめ」発言など
学力の低さを露呈するもおバカキャラとして
人気を博す。よく考えたら羞恥心とかpabo
の道を切り開いたパイオニアな気がする。
原作で言い間違いを指摘したら
問答無用で殴ってきそうだ。

【トンガリ】

原作では「コンチ」とも呼ばれている。
途中から一貫して「トンガリ」と呼ばれるように。
原作ではブタゴリラの腰巾着的立場であり、
もう一人名前のないキャラといっしょにいることが
多い。しかし、ブタゴリラのことは大嫌いであり、
本人のいない所では、けなしまくっている。

アニメ版では、母親から「ぼくちゃん」と呼ばれ
本人も「ママ」と泣きつくマザコン臭プンプンの
情けないキャラだが原作では特にそういった描写
はない。暴力的な性格であり、原作ではブタゴリラ
とさして変わらない性格。いっしょになって
弱い者いじめをしているカス野郎である。
原作では恋人も登場しないし、
ブタゴリラ同様人間的魅力も皆無である。
それにしても
コロ助とトンガリの声は特徴あったなぁ。

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

キテレツ大百科 1 (藤子・F・不二雄大全集)

  • 作者: 藤子・F・不二雄
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/08/25
  • メディア: コミック



posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 藤子不二雄『SF、パーマン』 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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