2008年10月07日

「ちょうど三年前のこの道を」

足の裏側が重症で、通学もままならなかった。
説明しよう。
体育の日があるこの季節は、日本各地で「運動会」だの「体育祭」
だのが催されている。私の住む街においても、運動会はあり、
なぜか地区代表として私はリレーの選手に選ばれていた。
こう見えても?私は結構足が速いのである。毎日の犬の散歩と通学で
少なくとも5キロくらいは足で移動していたし、コレステロール値も
今では考えられないが150とかだった。わかりにくくて、スマン。

知己の学友を見つけ話し込んだり、近況報告をしたりしながら、
出番に備えていた。身体はいたって順調である。この日のために
おニュー(→最近父が言っていたので思い出した死語)のミズノ社
シューズを購入を履きながら、「走る距離長いよ」と学友と
こぼしたり、地区代表の先輩と今年は決勝に残りたいものだ……と
男妾もとい談笑していた。
走る直前になって、地区代表の先輩が「裸足で走らないか?」と
提案。すっかり小学生、中学生時の「裸足で走った私マジ速い!」
的思考に魅了されてしまった私は、先輩にならって裸足になった。
物質が豊かな時代になってわざわざ裸足になる。アホである。
アベベはかっこいいが、靴があるならあるにこしたことはない。
裸足のゲンも裸足だが、あれは物質が貧しかったゆえだろう。
しかも、この日に用意した高性能シューズの価値を私は高く評価
していたはずなのにその靴を脱ぎ捨て裸足で走ってしまった。

結果を言おう。2位でバトンをもらった私は2位でバトンを渡した。
私は、50メートル付近の第一カーブ付近で足に違和感を覚え、
それでもむりやり走り続けた。
「あれ、トップスピードに乗らないぞ」と思いながら、
1位の背中を追っていた。カーブ超えたら一気に抜こうと考えて
いたのだが、スピードは上がることのないまま次の走者にバトンを
渡した。走り終わった私は、なんか足の裏が痛いぞと思いながら、
すごすごとコースから撤収。

「!!!」思いのほか歩くと痛い。
軽く激痛が走り抜ける脊髄反射による痛み(この表現気にせずに)
に一旦地べたに座った私は、おそるおそる足の裏を見た。

「なんじゃこりゃあ!!!」的な光景が。

えっと、足の裏の指から下の皮がべろんとはがれていたね。
土踏まずの上あたりまで。特に左がひどくて、皮の下の赤い皮膚組織
が見えていた。そこに土とか小石とかが入りこんでた。
それはそれはエグイ光景だった。いとしこいし(意図しない小石)に
よって私の足の裏はずたずただ。確かに裸足効果は絶大だ。
タイムの面ではなく、身体に与えるダメージにおいて効果は絶大だ。

では先輩はどうだったか?
先輩は平気だった。少々足が痛かったと言っていたが、
体育大学に通い、運動を日々行っていた先輩の足の裏は「鉄面皮」
だったのである。私のチームは2位でレースを終え、決勝に残った。
しかし、私は決勝レースに出場することなく、救護班の手当てを
受けて、父に背負われ一旦家に帰り、接骨院に行った。
スラダンの桜木花道のような気分を味わい、私を失ったチームは
決勝で嘘のように大敗した。(本当はバトンを落としたんだ)

救護班の看護士さんや、接骨院の先生、ナースの方々は口をそろえて
この「秋の椿事」(本当は春の椿事と使う)に対して、
「珍しい」「レアだ」「盲亀浮木だ」「馬場が性転換するよりない」
(もちろん、後半はそんなこと言ってない)
と口を揃え、「なぜ?」と問いかけた。

「裸足で走って……」
私の声は、沈んでいた。想像以上に治るのに時間がかかるようだと
感じていたからだ。足の裏の皮膚をタワシのようなブラシでゴシゴシ
と洗い(もちろん激痛である)、消毒液につけて(激痛である)、
乾かしてから(激痛である)、包帯を巻いた。
「できるだけ安静にして」と言われ、
包帯と消毒液が渡された。
言われなくても、動くたびに軽い激痛が、まるでアベベの様に
快速で走りぬけるから、私は家でほとんど動かないで過ごしていた。
奇しくもその日は、10月2日の誕生日であり、足の痛みを感じながら
大好物の焼肉とケーキを食べた。ある意味で一番よく覚えている
誕生日である。私は自宅待機を余儀なくされ、小説と漫画とゲームと
テレビを観ていた。そうすると、不思議なものでちょっと勉強しよう
かなぁという気持ちになることもあり、授業のノートを読んだり
教科書を読んでみたりもした。本当に、微々たる時間だったが。
結局2週間休学するはめになった。

中学の時のグラウンドは、石なんてほとんどなかったし、あの頃より
タイムで1秒近く100m速く走れたし、体重は10キロ近く増えていた。
結局のところ、足はそれらの衝撃に耐えられずに崩壊した。

街の運動会に参加する小学生、中学生は裸足で走らないらしいが
賢明だと思う。下手すると、私のせいで「裸足厳禁」になったのかも
しれない。「前例」が生まれ、結果的にケガ人が減ったのであれば
私の惨事も少しはこの街の人のためになったのかもしれない。
実は今年は、太ももを痛めた。例の第1カーブ。あそこには
魔物がいると思う。コースに塩をまいて清めようかと本気で思った。
ちょうど三年前のこの道を通ったことによって、ケガをした。
自由に動きまわれるというなんでもないようなことが、
幸せだったと思う……そんな今日この頃です。

まだ運動会や体育祭を控えているという方、準備運動を怠りなく!
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 08:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 安寿の加齢なる日常U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
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 幼少の頃から
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