2008年09月04日

「みがく」

家にホームレスが来たときのことをふいに思い出したので、
書きたいと思います。

当時高校一年生だった私は、ワクワクの高校生活に胸を
膨らませて、友達や異性と話したり、勉学心に燃えていた
……はずもなく、可もなく不可もなく高校生活を
無難に過ごしていたわけです。「野ブタ。をプロデュース」
の主人公修二をソフトにした感じのキャラでした。

そんな私が朝の支度をしている7時15分頃ですね。
チャイムの音が聞こえました。家族が全員いない時間帯で、
私は歯磨きをしていたのですが、
誰もいないみたいなので仕方なく行ってみたんですよ。

ドアが開いて、ちょうど「野ブタ」ではじめて信太こと
野ブタが登場した瞬間のクラスメイトの反応と同じで、
正直「うわぁ」と思いました。
人目で、ホームレスだなぁとわかる格好をしていました。
ぼろぼろの服と靴。そして異臭。
外で見かけることはあっても、ホームレスの人と話すのは
はじめてでした。

「下さい」
とその人は小さな声で、頭を俯けがちに言いました。
「えっと……」
私は戸惑いながら、
「食べ物とかがいいですか?」
と尋ねました。そうすると、
「あのできたら、お金が……」
と申し訳なさそうに言いました。

当時私は、皿洗いのバイトをしてましてね。
時給は650円でした。実際働いてみるとわかると思いますが、
働くのって正直しんどいですよ。職場の方には気を使いますし。
あぁ自分は、凡人なんだって気付かされますし。
当たり前のようにもらっていた親からのおこづかいとか、
正月のお年玉とかがやたらありがたく感じるものです。
仕方なく私は、自分の財布から1000円出してその人にあげました。
その人は、顔を俯けたままお金を受取り、小さな声でお礼を言い、
去って行きました。そうですね、正直釈然としない自分がいました。

あれ以来、ホームレスの人が訪ねてきたことはありませんが
なんとなくホームレスの人が襲撃されたニュースとか聞くと
胸がチクリとします。それは、自分のストレスの捌け口として
ホームレスを襲撃する輩に対して嫌悪感を持つだけでなく、
心のどこかでホームレスの方を蔑んでいた自分を思い出すから
なのかもしれません。生産性のない者やことに対して、
世間は冷たいものですが、「情け」をかけられないのであれば
その時点で人は所詮動物にすぎないと思います。
皿とか、窓とか磨くのは心を磨くのに似ている気がします。

そして、仕事をすることは大変ですが、人とは違う生き方をする
というのも伺い知れないような大変さがあるのじゃないかなぁと
思うのです。小さいときは将来の職としてスナフキン(旅人)とか
憧れていたけど、どうやって食べると思っていたのでしょうか?
フツーの旅人は、本とかCD出しても売れるはずがないんですよね。

「人と違う生き方をするのはそれなりにしんどいよ。
いいわけできないからね」(「耳の恩返し」より引用)
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 安寿の加齢なる日常U | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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