2008年08月02日

漫画『H2(エイチツー)』あだち充

最強の投手国見比呂と最強のバッター橘英雄が、野球と恋愛で対決。
流した涙と汗の分だけ感動がある。「タッチ」で描かれなかった
夢の甲子園対決を描いた傑作野球漫画。全34巻。
随所にあだち充作品特有のユーモアあふれるギャグや、
サービスショットが盛り込まれている。
「安易ですね」と、登場人物に言わせる所には余裕すら感じる。

〜あらすじ〜

中学地区大会優勝ピッチャーだった国見比呂は、恋女房である
キャッチャー野田と共に野球部のない千川高校に入学した。
比呂も野田も野球は好きだったし、比呂には高校から山ほど誘いが
きていたが、「野球を続けたら故障する!」と医者から宣告された
からだ。よって、比呂はサッカー部に、野田は水泳部に入部した。
入学した比呂は千川高校に野球愛好会があることを知り、
また愛好会のマネージャーをする古賀春華と知り合う。
春華は、比呂の父の勤める会社の社長の娘であり、
性格も顔もいい女の子だった。比呂は、春華に興味を抱く。

その後野球愛好会を目の敵にしていたサッカー部の木根や部長の
「恥をかかせてやろう」という悪意丸出しの「野球試合の提案」に
よって試合をすることになった。
試合はサッカー部のワンサイドゲームになったが、野球をなめた
行動を取り続けるサッカー部の態度に業を煮やした比呂が、
サッカー部を辞め、野田と共に野球愛好会チームに参戦、
一気に接戦に持ち込む。

久しぶりに野球を楽しんだ二人は、野球に対する情熱を思い出し、
後日、ドクターストップが藪医者の誤診だったことを知る。
名門校に編入という選択もあったが、二人は縁あって出会った
愛好会のメンバーと共に甲子園を目指すことにした。
千川高校の快進撃はここからはじまる。

さて、中学校時代比呂と野田とチームメイトだった天才打者橘英雄の
紹介をしよう。彼は、野球名門校「明和第一高校」に入学。
入学早々からフリーバッティングを許されるという特別待遇、
一年にして4番を任されるという「怪物」ぶりを発揮していた。
英雄と比呂は中学校で出会い、自分の才能にうぬぼれを持っていた
英雄はブカブカのユニフォームを着たチビの比呂の投げるものすごい
直球を三振したことで、野球に本気で取り組むようになった。
性格はまじめで、融通の利かない性格であり、ふまじめで
こどもっぽく、飄々とした比呂とは対照的である。
英雄は同時に、比呂の幼なじみである雨宮ひかりの恋人であり、
比呂は英雄に対してある種の複雑な思いを抱いていた。

バッテリー以外は穴だらけの「千川高校」には、なぜか野球部設立
を認めない校長(単なる私怨、わだかまり)や校長の息子である
名手柳、サッカー部でありながら野球にも才能がある外野手木根、
英雄と幼なじみである佐川、千川高校の分裂を企む嶋・大竹などが
加わっていく。また監督は、偶然?が重なって春華の兄が勤める
ことになる。比呂は、野田と共に野球部を強化していきながら、
マネージャー春華と少しずつ恋愛を育んでいくが、
比呂の心の中にはひかりへの思いが依然残り続けていた。

名門校「明和第一高校」は、「怪物」橘英雄を主体とした
超高校級の打線を軸とした名監督率いる穴のないチームに成長。
比呂と英雄が三年になった最後の甲子園においては、文句なしの
優勝候補筆頭と言われる最強チームに成長していた。

〜作者のミス〜

当初「県内」の高校とあったが、東京「都内」に設定が変更され
両校とも甲子園に出場できるようになった。これによって、
甲子園での、比呂と英雄の最強対決が実現した。

比呂の誕生日の変更。二人の誕生日は、「1月16日」「11月6日」
であり、それぞれ「ひろ」「HERO」のもじりである。
また、英雄が「えいゆう」とも読めるという読者の指摘もあり、
作者はこれを見事に活用した。

〜ここに注目〜

「タッチ」と違った本格派野球漫画であり、甲子園での戦いが
たくさん描かれている。実はタッチは甲子園で戦っているシーンが
描かれていないのである。その消化不良をこの作品は補ってくれる。
比呂、英雄、ひかり、春華の4人の主役を軸に据え交錯する
人間ドラマに注目。完成度の高い・演出の優れたストーリー。

最強ピッチャー:国見比呂

比呂は中学校時代に「140キロフォーク」(ワンバウンドボール)
が投げられたという回想シーンがあるが、高校1年時で140キロ、
高校三年時には150キロを超える剛速球を投げている。
また、カーブやフォークだけでなく、最終的に「高速スライダー」
を投げられるようになっていて、制球力も高く、フィールディング
やピッチャー返しなどに対する反応速度も以上に高い。
ちなみに、春や秋よりも夏に強い!という体質の持ち主であり、
その能力のピークは夏真っ盛りの(ひかりの誕生日)頃である。
日常生活においては、ちゃらんぽらんなことも多いが、
こと野球に関しては練習を怠らない「野球少年」である。

最強バッター:橘英雄

1年で4番を打つ天才バッター。中学校時代に、比呂と野田と出会った
ことで「ヒット・ホームラン」にできるコースが広い。
1〜2個分のボール球は難なくヒットにしてくる。
類稀なバットスイングの持ち主であり、骨折しながらホームランを
打つなどの偉業を達成。
比呂いわく、絶好調なら場外ホームラン、不調ならすれすれの
ホームランを打つ天性のホームランバッターである。
明和第一のチームメイトからは、
「あいつが打っているのはゴルフのボールではないか?」と言われ
相手チームからは、
「彼が金属バットで打席に立つのはインチキだ」
と言われるほどのバッターである。
高卒でプロ入りし、打者の記録を次々と塗り替えるなどの
大きな夢を抱いて、日夜研鑽を怠らない。
実力的には、メジャーでも通用する逸材。
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 10:08| Comment(0) | TrackBack(0) | あだち充『タッチ、ラフ、H2』他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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【安寿(あんじゅ)】管理人
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 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。