2013年01月01日

漫画『ネオ・ファウスト』手塚治虫

悪魔との契約によって「若さ」を手に入れた一ノ関は、
新しい人生を歩き出す。
しかし運命のいたずらか?
悪魔に魂を捧げた罰か「自分」と出会い……

〜あらすじ〜

1970年、日大闘争、東大紛争の影響で
NG大学にも学園闘争が巻き起こる
しかし、真理の探究50年の大教授一ノ関は、
象牙の塔よろしくどこ吹く風。研究に余念がない。
その近辺では、学園闘争に目覚めてしまった女子大生まり子、
まり子を心配する刑事の兄、まり子の恋人垣根らによる
人間ドラマが展開されていた。

きな臭い風潮の中で発見される変死体と、
次々と巻き起こる怪現象。
それは人知の及ばないものの仕業なのか?

そして、一ノ関の前についに姿を現した女悪魔メフィスト。
一ノ関をたぶらかすことに失敗するも、
一ノ関と契約を交わし、一ノ関はかつての若さを手に入れる。

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だが一ノ関は若さと代償に記憶をなくしてしまう。
守銭奴だが一代で財を築いた坂根第造と出会い、
一ノ関は第一と名乗るようになり下働きをはじめた。
メフィストの力添えも合って、徐々に頭角を現していく第一は、
まり子と恋仲に落ちる。
だがまり子は、学園闘争にも顔を出し、
また刑事である兄を裏切っているという後悔で常に揺れていた。

メフィストは一ノ関を好きになり、第一に力を貸す傍らで、
ジェラシーを起こし時に第一を誘惑し、第一に迫る。
第一は、大切な人間の死に立ち会ったことで「生物を創造する」
という大それた野望を抱くようになる。
そしてメフィストを利用し成り上がっていくのだが、
半面純粋な面も持ち合わせていることが言動からうかがえる。
(まぁ基本的にエゴイストなのだが)

エロチックな描写が多いことも特徴だが、
学園闘争の殺伐とした感じや
恋愛感情を絡めた生臭い人間ドラマがおもしろい。
また、クローン技術やホムンクルス(≒人工生命体)の生成
などに言及した意欲作でもある。
(21年前の作品なので、クローン技術はカエルまで成功例あり)

評論家が「手塚さんあんたの時代は終わった」という
作中の自虐ネタがほろ苦い。
休載した数ヵ月後に手塚さんは亡くなっている。
よって「火の鳥」などのように残念ながら未完の作品。
でも読み応え十分。

朝日新聞社。約400ページ。
ラベル:手塚治虫
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 04:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 手塚治虫 BJ、どろろ、ブッダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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【安寿(あんじゅ)】管理人
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 まさか漫画家になるとは
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 そして実際なりません
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