2012年04月01日

漫画『とめはねっ! 鈴里高校書道部』河合克敏

部活動が盛んな神奈川県私立鈴里高校。
しかし、書道部は部員不足で困っていた。
新入生へのアピールに県内トップクラスの書を披露した
日野ひろみ部長らだったが反応は今ひとつ。
部員を5人集めないと廃部になるというよくある状況だ。
帰国子女大江縁は怖い書道部の先輩加茂杏子、三輪詩織に
半ば脅迫に近い勧誘をされ、書道部に入った。

だが、縁(ユカリ)は8年間カナダで暮らしていたので
書道はもちろん習字の体験すらしたことがなかった。
但し、祖母との間で年100回ペースで
文通をしていたので端正な文字を書くことができた。

ゆかりは同級生の望月結希が男子生徒にからまれて
いる場面に遭遇し、助けようとして手をケガしてしまう。
柔道少女望月の柔道技によって
男子生徒がぶん投げられそれに巻き込まれたのだ。
三輪、加茂の謀略によって責任を感じた望月は、
期限付きであるが書道部に入ることになった。

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字をきれいに書けるようになりたかった望月は、
三輪、加茂らにだまされていることに気づき
書道部を辞めると宣言。
だがユカリが砂浜に書いた望月結希の文字を見て
何か感じることがあったらしい。
柔道部と書道部をかけ持ち(兼部)することにし
1日おきに書道部に顔を出すことに。

なんとか部員5人を揃えられた鈴里高校書道部。
日野ひろみの双子の妹よしみがいる書道名門校
さぎ沼学園からライバル視されるようになる。
鈴里高校面々は県内でも指折りの書道家三浦らから
書を教わるようになり、めきめきと上達。

基本的には校内でせっせと練習。
ときに駅前でパフォーマンス。
ときに寺で書道合宿。
夢は大きく書道甲子園参戦。
大学に出かけて勉強会。
と学園生活を送る書道部面々の活躍を描く。

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本作は書道の歴史や文学史的意味合いのうんちくも
かなり詳細に描かれている。
作品に登場する書も書の大家への依頼や
学生、一般から募集したものが採用されている。
箱根駅伝でおなじみの大東文化大学、
埼玉県の松山女子高校など埼玉ゆかりの
書道有力校も出てくるので親しみが湧く。

作品のおもしろさとしては、マイナーな部活動に
スポットを当てて、ラブコメ要素を盛り込み、
書をエンターテイメントとしても捉えている所。
もちろん、書自体の歴史やあり方をきちんと
描いているからこそ、そういった「遊び」の部分が
より際立っているのだと思う。
また、書のひとつの役割を担った
「ラブレター」(文通も含む)エピソードもあり、
人の心の機微などを伝える表現方法は
1000年前も今に至っても変わらず存在すること。
あと登場キャラクターたちの個性や気持ちが現れる
書というものの性質が興味深い。
全14巻 ☆☆☆☆★ 

〜登場人物紹介〜

【大江縁】存在感の薄いガチャピン顔の残念帰国子女。
弱気で繊細でおもいやりにあふれる。
結希に想いを寄せている草食系男子。

【望月結希】全国クラスの柔道少女で豪快で気が強い。
裏表がなく、負けず嫌い。
ユカリに対する対抗心が強くライバル視。よく睨む。
物語のヒロインであり、モテ系女子。
巨大な名犬ピースとジョギングするのが日課

【日野ひろみ】書道部部長で天使のようにやさしい。
書道の腕前は全国クラス。
一部の文化部萌え男子から熱狂的な支持。
 
【加茂杏子】中学時代は男子からも恐れられるヤンキー。
ひろみの女性らしさにあこがれ書道部へ。
言動は一見凶暴だが情が深い。将来の夢は看護師。

【三輪詩織】一見かわいいが腹黒く、弁舌が巧み。
暗算が得意で計算高い。おしゃれ。学力も高い。
昔は加茂と仲が悪かったが今は親友。

【日野よしみ】悪魔のように性格が悪く、ヒール役。
書道の腕前は姉と甲乙つけがたい。

【勅使河原】女子が大半を占める書道部において
珍しい男子部員。結希に気がある。
書道の腕前も高くユカリを書道の面でも
恋の面でもライバル視しているイケメン。

【三浦清風】神奈川県内屈指の書道家。
でも漫画に出てくるすごい老人はスケベ
という法則に忠実である。

【一条毅】全国トップレベルの大分の一年生。
結希に想いを寄せている。体力はイマイチ。 
    
【羽生】結希にあこがれて柔道部に入り、
書道部にも入ったおっかけ新入生。

【島】ひろみに一目置く実力派でくそまじめ系。
前衛的な書に取りくんでいる。
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:56| Comment(0) | TrackBack(0) | ☆☆☆☆★のおすすめ漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする



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【安寿(あんじゅ)】管理人
 自称「漫画のソムリエ」
 埼玉出身、趣味でブログを
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 漫画以外だと
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 音楽鑑賞と昼寝、お笑い、
 風呂と温泉、旅行、
 本屋が好きです。
 
 幼少の頃から
 漫画が大好きだった私が
 まさか漫画家になるとは
 誰も予想しませんてした。
 そして実際なりません
 でした。