捜査協力を依頼されるほどの団守彦が経営する
団探偵学園(DDS)に入学することにしたキュウ。
探偵学園の生徒は多くの難事件を解決しているので
世間の評判も高いが人気も高く狭き門である。
特に今回募集している【Qクラス】とは
団守彦の後継者を育てることを目的とした
難易度の高いもの。
キュウは学校の勉強こそさっぱりだが、
人一倍強いひらめきと観察力、
天性の人懐っこさを持った少年。
幼少期に誘拐事件が発生した際に自分を助けた
【探偵のおじさん】にあこがれたキュウは
彼から探偵としての心構えや情熱を教えられ
【世界一の探偵】になることを志し生きてきたのだ。
キュウは【瞬間記憶能力者】を持つ。
一度見た映像などを一瞬で覚え思い出すことが可能。
作中も重宝される超能力ヒロインのメグ(美南恵)や
遠山の金さんの子孫であり鋭い勘と行動力を持つ。
キンタ(遠山金太郎)、
天才ゲームプログラマー少年であり途方もない金持ち。
暗号解読が得意なカズマ(鳴沢数馬)。
ずば抜けた頭脳と言語能力、
容姿を兼ね備えた謎多き美少年。リュウ(天草流)
ら個性的なメンバー共に難関と呼ばれる
Qクラスに見事合格。
あこがれの伝説の名探偵団守彦の後継者をめざし
推理を武器に難事件に挑む。
学校では個性の強い先生たちがキュウたちに
殺人事件などの事例や暗号解読などの課題を
出しながら、彼らの向上をはかる。
また世間からの評価が高いDDSの生徒として
彼らは事件現場やこれから事件が起こるであろう
舞台に呼ばれることが多い。
彼らはお互いを尊重しながら、切磋琢磨することに。
事件を解決することは団守彦の後継者候補に
近づくことに他ならないが、
後に団自身が語るように別に一人で事件を解決。
真実を解き明かすことが目的ではない。
5人(に限らず)で答えを見出すことに
団自身は何の異論や反論も持っていない。
彼らは与えられた強い責任や探偵につきものの
犯人からの報復などの危険にさらされながらも
たくましく成長していく。
そして宿命の相手である「冥王星」の存在を知ることに。
冥王星は、キング・ハデスというかつて団守彦の
親友だった男が設立した犯罪組織である。
冥王星は、殺意などを抱く人間に犯罪計画を立案・
実行させる(いわゆる殺人方法を教えそそのかす。
【殺人教唆】)【殺人コーディネーター】集団であり、
基本的に自らの手を汚さず、依頼人の手助けもしない
ことをルールにしている。悪の天才と呼ばれる
キング・ハデスや度々登場する彼の実質的な右腕
ケルベロスによって、多くの難事件が発生し
キュウたちは窮地に立たされる。
また序盤に仄めかされていたキュウ、リュウに
隠された最大の秘密と謎は作中明かされる。
そして芸術界で数々の功績、名作を残しながらも
多くの謎を有する天才「九頭龍匠」についても
徐々に解き明かされていく。
推理漫画というエンターテイメントに徹した本作は
キュウが推理を披露する前に
【ヒントは○つ(2つ〜5つ)。答えは一つだ】
と具体的な物証や実証を提示し、
事件を推理するという楽しさを読者に楽しませる
形式をとっている。
語り部はメグのことが多いが、基本的に主人公格は
キュウ及びリュウである。
また敵役ながら作中人気の高いケルベロスが
主人公のエピソードもある。
中には事件の被害者が悪い奴すぎて
加害者に同情したくなるエピソードなどもある。
(キュウたちが犯人を諭し、更生を促すパターンに
つながるのがうなずける。)
奇抜なアイディアや斬新な殺害方法やトリック
などもあり推理漫画としては目をみはる良作も多い。
講談社少年マガジンコミックス 全22巻。
文庫版全12巻 ☆☆☆☆★