人からも超能力者たちからも疎まれるはぐれ者。
兄霧原直人はサイコキネシス(念動力)を有し、
感情が高ぶると抑制が利かずに物などを飛ばし
人に危害を加えてしまう。
![]() |
弟霧原直也はリーディング能力を有し、
人に触れるとその人の考えていることがわかる。
また未来予知などを行うことができる。
ただし、基本的に兄に対する依存心が高く、
兄もまた弟に対し過保護な態度をとることが多い。
幼少時から不思議な力を持っていた霧原兄弟を
親は持てあまし、施設(研究所)に預けられた。
研究所では子供たちの超能力を開花・進化させる
実験が行われていた。
超能力者である岬老人、彼らの保護者として
憎まれ役も買っていた御厨らによって
二人は外の世界を知らずに育った。
(結界が張られていて外に出られなかった)
そして15年の歳月が流れた。
岬老人が亡くなったことで、結界が解け、
二人は施設から出て行くことに成功。
しかし、必ずしも善意ばかりが溢れていない
世界に飛び出した二人に安息の日々は訪れない。
美形の霧原兄弟は自らの希望と関係なく
人々の興味を惹くことや嫉妬に遭うことが多い。
感受性の強く無垢な弟直也は
人々の持つ欲望まみれの心や悪意に触れ
取り乱し、恐慌に陥ることが多い。
彼らをサポートするように現れる謎の存在
双海翔子。また彼らに不吉な影を落とす謎の男Y。
![]() |
二人は基本的に【化け物】と罵倒され、
冷たい目で見られてしまう。
また、超能力者として高い潜在能力を秘めながら
他の超能力者たちとつるまない二人は
超能力者たちから敵視され、
たびたび攻撃の対象になってしまう。
「進化」した人間(超人)が必ずしも幸せに
なれるとは限らないという命題を掲げながら
それでも前に進んで行かなければならない
霧原兄弟の戦いの日々を描いたサイキックホラー。
![]() |
マニアックな内容ながら霧原兄弟の持つ絆の強さや
魅力、ほぼ味方がいない血の道を突き進む
二人の孤独な戦いは読み手の心を打つ。
☆☆☆★ HMBホーム社漫画文庫全4巻
〜ナイトヘッド〜
人間の脳の大半は使用されていないとされる。
作中では、脳の実に7割は使用されていない
と提唱している。そしてその7割の中に人間は
不思議な能力(超能力)を秘めているとされる。
超能力に限らず、その7割の中に無限の可能性や
多様性、進化の謎などが秘められていると考えると
なんかこう胸が躍る。
![NIGHT HEAD 1 (ホーム社漫画文庫) [文庫] / 立野 真琴 (著); 飯田 譲治 (原著); ホーム社 (刊) NIGHT HEAD 1 (ホーム社漫画文庫) [文庫] / 立野 真琴 (著); 飯田 譲治 (原著); ホーム社 (刊)](https://images-fe.ssl-images-amazon.com/images/I/21TKWQWC35L._SL160_.jpg)