心(手紙)を届ける
郵便配達員(BEE ビー)の少年ラグと
伝説の摩訶の血を継ぐ強力なラグの相棒のニッチ、
生き餌の珍獣ステーキが危険な使命を果たすため
冒険を繰り広げるファンタジー。
練り上げられた世界観と美麗すぎる絵が織り成す
極上のハーモニーは至高の一言に尽きる。
ずる賢く卑怯な大人を心が純粋なラグたち少年少女が
痛快にやっつけていくという側面を持つ。
幼少期にあこがれの存在(ヒーロー)に出会うと
生き方そのものに関わってくるという側面も持つ。
〜あらすじ〜
この世界「アンバーグラウンド国」は
四方が海で囲まれている。
そして、人工太陽が人々を照らしている。
中心に上流階級の者だけが住むアカツキ、
その外側に中産階級のユウサリ。
人工太陽の恩恵が受けられない下層階級のヨダカ。
この世界は目に見える格差社会(階級)が存在し、
また政府が発行する通行証(許可証)がなければ、
行き来ができない。
(通行証を偽造すると然るべき処置が執行される)
またこの世界では郵便配達を行う「ビー」と呼ばれる
国家公務員的仕事が存在する。
ビーたちはその職務の必要性から特別に許可証を持ち
世界を行き来できる。
しかし、世界には「鎧虫」(≒害虫)と呼ばれる
巨大な生き物が存在し、人々の「心」に反応し
人を襲う習性を持つので非常に危険である。
よってビーは苦楽を共にする相棒「ディンゴ」を
必要とし、優秀なビーは優れたディンゴに
恵まれていることが多い。
鎧虫を倒すためには、「心弾」と呼ばれる
ビー自らの心などを発射する銃(楽器などもある)
を鎧虫の弱点に向けて発射する必要がある。
鎧虫は人の心を食い、その被害は後を絶たない。
はじまりは「瞬きの日」だった。
人工太陽が照らす世界で、不思議な瞬きを見た者は
全員、心ないしは身体にキズを負った。
彼らの中には、自らが傷を負った者も多く
同時に大切な人や記憶を失った者も多い。
調査飛行船で人工太陽を調査中だったが墜落。
人工太陽との影響とを否定する政府だったが
不審な点も多い。また、政府が行う「人体実験」
の被害者も多い。彼らは反政府組織「リバース」
として国家事業である郵便物を盗んだり、
人の犠牲が伴う活動を行っている。
リバースの活動は本質的に政府と変わらない。
またこの日に主人公ラグ、シルベットが誕生。
それから7年の歳月が流れた。
足が不自由な妹シルベットを持つゴーシュは
法外な治療費を得るために首都での郵便配達員
トップビーをめざす青年である。
彼はディンゴのロダと共に「テガミ」として
出会った「ラグ」を配達することに。
ラグはヨダカ出身。しかし母が(おそらく)
アカツキに奪われてしまった悲しい過去を持つ。
冒険を通して、ぶっきらぼうだが実は心やさしい
ゴーシュの心に触れたラグ。
ゴーシュとの間に友情に生まれた。
ラグはゴーシュにあこがれ
彼のようなビーになる夢を持つ。
ビーになれば母と出会い、再びいっしょに暮らせる
かもしれない。
ラグはその日を信じて、あたたかいサブリナ
おばさんと生活し、5年の歳月が流れた。
ラグは折り目正しい心やさしい少年に成長し、
ヨダカの期待の星としてビーの面接を受けに旅立つ。
そしてラグは不思議な少女ニッチと出会う。
髪が剣のようになり高い戦闘能力を持つが
言語能力のあやしいニッチとパンツの絆で結ばれた
ラグはおそらくほぼ最強クラスの相棒ニッチを得る。
またなぜかニッチになついている珍獣ステーキ
(ニッチいわく生き餌、焼かないとまずそう)は
鎧虫の弱点を見分ける力を持ち、ラグを助ける。
ラグは手紙(物)に託された心(物の記憶)を
読みとる能力がある。
それはときに人々の手助けになるが、
ときに自らをも苦しめる悲しい記憶に触れてしまう。
ラグたちは多くのビーや人々、不思議な生物の
心に触れながら成長を遂げていく。
全20巻 集英社 ジャンプ・コミックス
☆☆☆☆★ 「LETTER BEE」
posted by おすすめ漫画、漫画百選、漫画名言 at 07:17|
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