腕利きの下忍(忍者)に力を貸してほしいと訪ねてきた。
お姫様は、なにやら怪しげな行李(≒かご)を背負っていた。
姫は、敵国城主の命令で命を狙われていた。そして、襲撃を受ける。
だが行李の中には、あやしげな鎧武者が仕込まれていて、姫は
それらを武者をたくみにあやつり、敵を撃退。下忍は、姫に力を
貸してやることにした。人形のように美しく、悲しい過去を背負った
彼女に心を動かされたのだ。

「からくりサーカス」の元になったと思われる「からくりの君」
血塗られた刀が、妖怪を呼び寄せる。
筋金入りの不良が、怪しげな刀を持った奇妙な兄妹に船で出会った。
兄は語る。遠野に伝わる妖怪と、兄妹との因縁の物語を。
そして妖怪は、兄の作戦通りに船上に現われ、戦場と化す。
「うしおととら」をほうふつとさせるデビュー作「連絡船奇譚」
大正時代を舞台に、猟奇的な事件が発生。ある屋敷付近で、
女性の身体の後面だけが残された変死体が続出。
これに挑むのは、暗い過去のある戦闘の達人削夜。
屋敷の住人である沙夜子に出会った削夜は、「闇」と戦う彼女を
見て、俄然やる気を起こす。グロテスクな事件の中で、光明が
見出されていくストーリーは流石の一言。暗闇を照らしてよ。
「夜に散歩しないかね」
他に、強さを求めた男の悲哀と情熱を描いた「掌の歌」、
幼い少女の夢を叶えんと、奮闘する男の姿を描いた
「メリーゴーランドへ!」を収録。読み応えがあり、おすすめ。